阪和貨物線旅客営業開始の国鉄公示

阪和貨物線の旅客営業開始は、44年前の今日、昭和40(1965)年2月6日に公示された。関連の国鉄公示を紹介する。

日本国有鉄道公示第63号
 日本国有鉄道線路名称(昭和24年6月日本国有鉄道公示第17号)の一部を次のように改正し、昭和40年3月1日から施行する。
 昭和40年2月6日
  日本国有鉄道総裁 石田 禮助
 関西線の部関西本線の項を次のように改める。
  関西本線(名古屋木津奈良湊町間、八尾杉本町間及び貨物支線)

日本国有鉄道公示第64号
 昭和40年3月1日から関西本線八尾・杉本間において、旅客運輸営業を開始する。
 昭和40年2月6日
  日本国有鉄道総裁 石田 禮助

営業規則の改定は第66号で公示された。「あすか」運転に関連して、第86条の大阪市内地図が変更され、別表第1号の3イ・ロ・ハの特急料金三角表に、「関西・紀伊関係」が追加された。当時は、まだ旅客及び荷物営業規則の時代で、荷物営業編の第370条が次のとおり改定された。

第370条第2項第1号ホをヘとし、以下順次繰り下げ、ニの次に次のように加える。
ホ 関西本線八尾・杉本町間を経由し、同区間通過(八尾及び杉本町両駅発又は着を含む。)となる経路が最短経路となるときは、同区間を経由しない他の最短経路による。

荷物運賃の計算においては、短絡線経由の営業キロが適用されなかったようだ。逆にこの規定は、旅客運賃は短絡ルートの営業キロで計算されたことの証左になる*1
また、当時旅規の規定外の特定の特急料金制度があったようで、第71号として次のように公示された。

 特定の特別急行料金を適用する列車、区間及び期間(昭和35年6月日本国有鉄道告示第296号)の一部を次のように改正し、昭和40年3月1日始発駅発となるものから適用する。
 つばめの項中「岡山」を「倉敷」に改め、まつかぜの項の次に次のように加える。
  あすか 名古屋・東和歌山 東和歌山・名古屋 同 

当時「つばめ」は名古屋・熊本間の電車特急、「まつかぜ」は福知山線・山陰線経由京都・博多間の気動車特急であった。

*1:なお、現在も旅客営業取扱基準規程第186条第1項第6号に、阪和貨物線経由の乗車券を発売する場合は「関西、(短絡)、阪和」の例により経路表示する」との規定が残っている