2016年度日本鉄道賞

昨日国土交通省から2016年度日本鉄道賞の受賞者が発表された(リリース)。ここ数年、まずエントリー件名を発表*1、その後受賞者の発表というプロセスを踏んでいたが、今年は、いきなり受賞者の発表である。32件のエントリーがあり、書類審査で10件に絞ってヒアリングを行った結果、次の3件が受賞したとのこと。

受賞者 件名
大賞 東京地下鉄 ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果
特別賞 タカラトミー プラレール×鉄道会社 オリジナル施策・博物館内子ども向け施設の展開
特別賞 五能線沿線連絡協議会・東日本旅客鉄道 沿線地域の魅力をつないで走る五能線リゾートしらかみ』20 年

東京地下鉄は銀座線開業90年、リゾートしらかみは運転開始20年と、周年ものである。プラレールも、

1959年から販売されその歴史は長く、今年でレールの販売は10万キロ(地球2周半)を超えています。

と約60年間の過去の蓄積が評価されている。いずれも、2016年度に行った案件の表彰ではない。さらに、大賞の地下鉄については、

これまで90年間における地下鉄関係者のたゆまぬ努力とその賜物である顕著な成果を祝し、東京地下鉄株式会社を代表として、ニッポンの地下鉄総体に対し日本鉄道大賞を授与するものであります。

と、だれが受賞したのかもあいまいである。
2016年度に新線開業等の大きな案件がなかったのは事実である。北海道新幹線開業も、福井鉄道えちぜん鉄道乗り入れと福井駅延伸も2015年度末。新年度の2016年4月29日に開館した京都鉄道博物館は、2015年度の大賞を受賞してしまった。おそらく、経営的に余裕のないJR北海道北海道新幹線をエントリーしなかったので、適当な大賞案件がなく、先行受賞したのだろう。
いずれにせよ、昨年までと同様、エントリー件名は公表してほしいものだ。

*1:件名に対する一般からの意見も受け付けていた。