続・3月14日の旅規改定

旅規ポータルのJR東日本旅規改訂履歴(条項順)・ (日付順)を更新し、3月14日施行の改定を追加した。1カ月以上早いが、更新を要するページが多く、その第一弾である。
今回改定される条項のうち、第172条(急行券の効力)に追加される第8項が注目される。

次の各号に掲げる各駅相互間内にある駅発又は着となる急行券(いずれも併用となるものを含む。)を所持する旅客は、次の各号の末尾に記載した経路を迂回して乗車することができる。
(1) 赤羽駅と品川駅以遠(大井町又は西大井方面)の各駅との相互間(池袋、大崎経由)
(2) 品川駅と赤羽駅以遠(川口又は北赤羽方面)の各駅との相互間(大崎、池袋経由)

「時刻表」2月号を見ると、大船発東武日光行きの「日光83号」(5月5、6日運転)と、鬼怒川温泉発大船行きの「きぬがわ92号」(4月12、19日、6月7、14日運転)という湘南新宿ライン経由の二つの臨時特急が記載されている*1。赤羽・品川間は、70条特定区間(大環状線)であり、運賃・料金とも最短経路で計算される。70条特定区間を通過する場合のう回乗車は、159条に乗車券について規定されているが、急行券については明記されていなかった。172条8項は、これを補うものだろうか。
それなら、基準規程110条の列車特定区間の規定が適用されている「成田エクスプレス」を含めて、70条特定区間を通過・発着する場合の急行券のう回乗車規定とすべきではなかったか。そういえば、69条の経路特定区間急行券のう回乗車規定もない*2東北新幹線開業以前は、東北方面への優等列車常磐線経由の方が多かったのだが。
ところでJR東日本サイトの旅規の126条の4、2項に間違いがあるのに気が付いた。

第57条の5第2項の規定により発売する編成変更特約の特別急行券に対する大人特別急行料金は、第125条第1号ロの(イ)のb及びc、同号ロの(ロ)のb及びc、同号ロの(ハ)のb並びに同号ロの(ニ)のb及びcに規定する大人の特別車両料金について5割を低減したものとする。

と書かれているが、この「特別車両料金」は文脈からも、参照条文からも「特別急行料金」である。「JR東日本旅規改訂履歴」も間違っていたので、今回併せて訂正した。

追記(2月10日):172条8項の意味がやっとわかった。コメントにあったように、175条3項で準用される特別車両券の方に目的があったのだ。上野東京ラインの開業により、赤羽以南と品川(虚構としての湘南新宿ライン品川駅)以北には、グリーン車を連結する列車が運転されるルートが二つになる。この区間を通過する場合は、70条が適用され、営業キロの短い東京経由のルートで計算される。しかし、「発又は着」の場合は適用されず、公平を欠くことになる。それをカバーするために、175条3項で準用するために172条8項を定めたのだろう*3。「日光83号」などの急行料金には差が出る区間がないが、料金券として同一のルールにしたということか。

*1:「日光83号」とその逆方向の「日光84号」は以前にも運転されたことがある

*2:乗車券については158条に規定

*3:品川、東京、上野でのグリーン車の乗継は、まだアナウンスがないが、基準規程101条の2に追加され、認められると思われる