北総運賃訴訟控訴審

4月10日の記事で、東京地裁の運賃訴訟で敗訴した沿線住民が東京高裁に控訴したと書いた。控訴審の状況は新聞等の報道もなく、北総線値下げ裁判の会のサイトにも情報が掲載されておらずフォローしていなかった。久々に覗いてみたら、10月21日の第2回口頭弁論の結果が記載されていた。

北総線問題対策協議会が第三者機関に依頼し調査結果が報告されていました。その報告書を証拠として提出しました。
そのため、国は反論したいと申し出、裁判長はそれを認め、今回結審の予定でしたが、結審とはなりませんでした。

と、12月11日に第3回口頭弁論が行われることになったようだ。
この調査報告とは、白井・印西市長らでつくる「北総線運賃問題対策協議会」がシンクタンクに委託し、8月末に作成された「北総線運賃問題に関する調査報告書」で、当時各紙が「補助金なしで値下げ可能」と報道していたものである。裁判の会のサイトには原告団長のブログからの引用として、次の記載がある。

今回のこちらから提出した書面には、調査報告書の中から「値下げはできる」「線路使用条件がおかしい」という記述の部分を引用して書かれています。ここの部分で国が反論させてくれと言ったということは、無視できないと思ったからなのでしょうか。

北総鉄道は10月25日、この報告書に対し現行運賃水準の維持には補助金の継続が必要と反論した。その中で、京成の線路使用料について、

京成の「京成高砂・小室」間の当社線使用に対する平成24年度受取り線路使用料は15 .4億円。一方同区間の京成列車運行による収益配分減収は△13.9億円であり、差し引き1 .5億円のプラスであった。

と書いている。第3回口頭弁論での国側の主張は、北総鉄道のこの反論に基づくものになるのだろう。いずれにせよ、線路使用条件の認可について原告適格を認めなかった第1審判決について、控訴審で実質審理が行われることになる。
なお、裁判の会のサイトには敬和綜合法律事務所及びかえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社が作成した報告書のコピー(白井市長が市議会に提出したもの)が掲載されているが、76ページと大部である。見つけたばかりで、まだよく目を通していない。