東京地下鉄8号線延伸

東京都江東区は、7月9日「東京8号線(豊洲〜住吉間)事業化検討委員会」の調査結果(調査概要参考資料)を踏まえ、「加算運賃等一定の利用者負担を得られた場合、累積資金収支が30年以内に黒字転換することを確認」したとして、早期事業化を目指すと発表した。区が中心となり第三セクターを設立、インフラを整備し、東京メトロが運営する上下分離方式を想定している。2020年の東京オリンピック招致決定により、実現性が高まったと報じられている。
報告書は、加算運賃と事業収支を左表のようにまとめている。ケース1の住吉駅東陽町駅に中間ラッチを設置し、70円の加算運賃を想定しているようだ。東陽町駅では東西線と8号線が上下で交差するから、中間ラッチは設置できるだろう。しかし住吉駅はどうするのだろう。
半蔵門線住吉駅は、写真のとおり地下3階(1番線)が渋谷方面行、地下4階(2番線)が押上方面行の二層式の島式ホームである。反対側は豊洲延伸線用に準備した電留線となっている。中間ラッチを設置するなら、地下3階と4階の階段しかない。住吉・豊洲間のシャトル輸送(一部の列車は市ヶ谷まで運転)という構想だから、到着と出発が上下のホームを交互に使うことになる。たとえ中間ラッチを設置しても、住吉駅発着だけでなく、錦糸町方面や清澄白河方面からの乗継も、同一階でノーラッチ乗車できる。
住吉・豊洲間の現行運賃は190円である。ノーラッチの場合、事業計画が想定する160円(5.2キロ)+70円の230円は徴収できない。まさかとは思うが、線路を付け替えて地下3階を半蔵門線、地下4階を豊洲延伸線のようにするのだろうか。