パスネットの不思議の脚注2に、環状線部分を有する事業者の環状線部分の運賃計算・う回乗車の取扱いを示した表がある。本日の更新でこれを改訂した。
まず、富山地方鉄道(鉄道線)の取扱いが確定した。Feel Fine!の記事に同社の旅規の関連条項が紹介されており、1(最短キロによる運賃)であることが判明した。次に、神戸新交通ポートアイランド線を追加した。2003年に「パスネットの不思議」を執筆した時点には、神戸新交通は均一運賃制*1だったので、表に記載しなかった。2006年の神戸空港開業時に、市民広場・神戸空港間が延伸開業し、従来の三宮−市民広場−中埠頭−中公園−三宮の一方向のラケット型循環運転に加え、三宮−神戸空港間の折り返し運転が開始され、均一運賃から対キロ区間制に移行したが、その後も更新を怠っていた。
Wikipediaの神戸新交通の項に、
ポートアイランド線の南公園駅・中埠頭駅・北埠頭駅は運賃計算上、市民病院前駅と同一とみなされているほか、市民病院前駅を経由する定期券に関しても、南公園駅・中埠頭駅・北埠頭駅でも乗降可能である。中公園駅、市民広場駅発着の運賃についても、市民病院前駅発着とみなして計算した場合の運賃と比較して安い方となっている。
と書かれている。これが事実ならかなり特殊な取扱いである。神戸新交通のサイトの運賃表で検証してみた。
ポートアイランド線の環状部以外と六甲アイランド線の運賃は
1区 | 2キロまで | 200円 |
2区 | 2キロ超、5キロまで | 240円 |
3区 | 5キロ超、8キロまで | 280円 |
4区 | 8キロ超 | 320円 |
環状部に関わる駅間の運賃を見るとポートターミナル・南公園間は、順路・最短キロとも2.6キロであるが、運賃は1区200円であり、北埠頭・神戸空港間は、順路8.1キロ、最短6.1キロなのに、2区240円となっている。これらの区間の運賃は、最短キロによる計算では説明できず、Wikipediaの記述どおり、いずれも市民病院前発着と同一の運賃(ポートターミナル・市民病院前間1.5キロ、市民病院前・神戸空港間4.9キロ)を適用している。
環状部は一方向の循環運転であり、最短距離による特定運賃・う回乗車可の取扱いにはそぐわないから、このような制度にしたのだろう。いずれ旅規を閲覧して確認してみたい。