昨日の記事に書いたように、京成は国土交通省に成田空港新線の運賃(上限運賃)を申請した。京成のサイトにリリース文が掲載されている。
新空港鉄道に関連する鉄道事業者は、次のように複雑である
区間 | 第1種事業者 | 第2種事業者 | 第3種事業者 |
京成高砂−小室 | 北総鉄道 | 京成 | − |
小室−印旛日本医大 | − | 北総鉄道・京成 | 千葉ニュータウン鉄道 |
印旛日本医大−接続点*1 | − | 京成 | 成田高速鉄道アクセス |
接続点−成田空港 | − | 京成・JR東日本 | 成田空港高速鉄道 |
京成は、新たに第2種事業者としてスカイライナーと特急を運行する京成高砂−成田空港間51.4キロを成田空港線と呼称し*2、その運賃を本線とは別の対キロ区間制運賃とした。
報じられている京成上野・成田空港間の運賃1200円は、京成上野・京成高砂間の250円に、京成高砂・成田空港間の運賃950円を合算したものである。1998年千葉急行電鉄の経営を引き継いで京成千原線としたときと同様、本線と乗り継いでもキロは通算されず、乗継割引も設定されない模様*3。
筆者は、北総線及び京成本線の運賃との整合性をとりながら、都心と空港間の運賃を抑えるために、上野・日暮里と空港第2ビル・成田空港との間に特定運賃が設定されるだろうと予想していた。しかし、京成は極端な遠距離逓減運賃を採用することによって、これを実現した*4。グラフの青線は認可申請運賃、赤線はy = 200 x 0.4で、緑線はy = 170 x 0.45でプロットしたものである。
なお33キロまでの運賃は、現行の北総鉄道(高砂・印旛日本医大間32.3キロ)の運賃と同じである。沿線自治体と合意した5%の値下げが反映されていない。リリース文には、
なお、成田空港線のうち、すでに北総線として営業している区間(京成高砂〜印旛日本医大)については、実施運賃(値下げ運賃)を、別途届出により設定いたします。
と注記されている。現行運賃で上限運賃の認可を受け、届出で5%値下げした新運賃を実施することになる。リリース文を読む限り、運賃表を改定するのではなく、既存区間相互発着のみに特定運賃を設定する可能性が高い。