続・京成成田新高速鉄道の運賃・料金

9月12日の記事に対し、お二人からコメントをいただいた。アクセス数も普段より多い。この問題に興味をもっている方が多いのだろう。あらためて、「京成新空港鉄道運賃」でGoogle検索し、上位のウェブサイトやブログ記事を閲覧したが、いずれも本線経由運賃との比較や北総鉄道との運賃逆転という観点から書かれている。北総線運賃問題対策協議会のサイトは、運賃逆転の項で鉄道事業法第16条第5項第1号を引用し、

旅客運賃が「特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき」国土交通大臣は鉄道運送事業者に対し、旅客運賃の変更を命じることができるとされております。

と直接的ではないが、運賃逆転が差別的取扱に該当すると言わんばかりである。
かっぱ氏のコメントにあるように、成田空港駅と空港第2ビル駅に中間ラッチが設置可能となると、京成本線の現行運賃より高い運賃を設定できないという前提が崩れたことになる。閲覧したサイトのなかにも、両駅での改札分離という前提で書かれているブログがあり、不勉強であった。
京成本線経由と同一運賃にしなくてもよければ、北総鉄道の運賃と整合性をとることができ、成田空港までの運賃が途中駅の印旛日本医大までより安くなる運賃逆転問題を免れる。また、第2種事業区間の加算運賃としてではあるが、短絡線建設投資による所要時間の短縮が運賃の値上げに結びつく初めてのケースとなる。しかし、同一事業者の路線で短距離区間の運賃のほうが高いという、別の意味での運賃逆転問題が生じる。
9月12日の記事に書いたように、千葉県県と沿線の6市2村は、北総鉄道に5%の値下げを要請、負担について合意したとのことである。これを報じた9月6日の毎日新聞の記事には、

県は成田新高速鉄道が今秋にも運賃認可を申請する見込みで、認可されると北総線の値下げは困難になることから、新たに今回の負担案を提示していた。

と書かれている。運賃認可申請の時期については、7月中旬、8月中旬という報道もあったが、遅れているようだ。京成は、負担案の提示を受けて、認可申請を行い、国土交通省で審査中なのだろうか。

なお、Taka氏が指摘した途中下車を禁止する乗車券での前途放棄について補足しておく。国土交通省令鉄道運輸規程第13条は、

十三条  乗車券ハ其ノ通用区間中何レノ部分ニ付テモ其ノ効力ヲ有ス但シ特種ノ乗車券又ハ列車ニ付鉄道ガ別段ノ定ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

と乗車券の部分的効力について規定しており、これが途中乗車や途中下車を認める根拠となっている。これを受けて、JRの旅規は、第148条第3号で「乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から乗車する場合」を認め、第156条で途中下車を原則可とし、これを認めない例外(100キロ以下、大都市近郊区間相互発着、特定都区市内・山手線内など)を定めている。さらに第165条で「途中下車を認めない乗車券で途中下車した場合は、乗車券を前途無効として回収する」と前途放棄の扱いを規定している。ただし、大都市近郊区間の相互発着の乗車券(第157条第3項)や70条特定区間発着の乗車券(第160条第3項)でう回乗車中に途中下車した場合は、乗車変更として取扱う例外規定がある。
Taka氏があげた例でいえば、岩国・櫛ヶ浜間以外に、大都市近郊区間相互発着の倉賀野・大久保間(1,620円) の乗車券の運賃計算ルート上の池袋で下車した場合なども、この例外に該当せず、前途放棄となる。なお、倉賀野・池袋間(1,890円)を乗車するときは、倉賀野・本庄、本庄・池袋と分割すれば、1,510円(230+1280)で倉賀野・大久保間の乗車券で前途放棄するよりも安い。倉賀野・大久保間も、本庄と籠原で分割すれば1,570円で、50円安くなる。