30年後も永久永遠の時刻表2万キロ

ISBN:9784434128417
達 靖志著の「30年後も永久永遠の時刻表2万キロ」は、宮脇俊三氏が「時刻表2万キロ」に著した国鉄完乗に至る行程を30年後にたどった旅行記である。宮脇氏の旅行当時とは、鉄道路線網や列車ダイヤの体系が大きく変化しており、そのまま再現することはできない。そこで、旅行日や代替交通手段等についての基準を策定し、この基準に従って旅行している。
巻末には、宮脇氏の旅行行程表が掲載されている。これがまたすごい。
筆者も、"乗り鉄"先駆者の足跡において、「時刻表2万キロ」の記述にしたがって、その行程を記載している。例えば、猪谷駅で列車を間違えて富山港線を完乗できなかった、第1章の1975年9月24日は、

4:50富山4:54(840D)6:16神岡6:20(622D)6:49猪谷7:17(821D)8:14富山(T)東岩瀬8:35(132M)8:51富山9:00(立山1)9:14高岡9:20(431D)9:47氷見9:51(434D)10:19高岡10:30(加越3)11:57福井12:20(129D)14:05九頭竜湖(B)美濃白鳥15:55(338D-のりくら5)19:03名古屋19:19(ひかり14)21:20東京・・・

と記している(Tはタクシー、Bはバス。斜字体部は、名古屋からの列車名が書かれていないので推定)。
九頭竜湖・美濃白鳥間は、単にバスとしているが、「時刻表2万キロ」では、「美濃白鳥駅で40分ほど待時間があるので、白鳥の町の入口にかかる長良橋のたもとでバスを降りた」となっている。達氏の行程表では、宮脇氏の2年前の旅行を回顧した記述を手がかりに、この区間を次のように推定している(筆者の表記法に合わせて記載)。

九頭竜湖14:10(国鉄バス)15:12向小駄良(T)赤瀬橋15:25(名古屋鉄道バス)15:26向小駄良(T)美濃白鳥

名古屋・東京間の「ひかり14号」は達氏も同じだが、「10時30分ごろ帰着」の記述から、東京駅から東松原の自宅までの行程も、

東京21:26(山手線外回り)21:50渋谷22:06(井の頭線)22:14東松原

と推定している。どこまで正しいかわからないが、その執念には脱帽する。
達氏の「時刻表2万キロ」第1章再現旅行の2005年9月24日の行程は

奥飛騨温泉口6:24(神岡鉄道202D)6:49猪谷7:55(851D)8:14富山(T)東岩瀬9:28(1132M)8:51富山9:49(しらさぎ6)10:00高岡10:13(533D)10:39氷見10:46(532D)11:13高岡11:22(サンダーバード24)12:41福井13:02(727D)13:20一乗谷13:23(JR代行バス)13:39美山13:42(1727D)14:32九頭竜湖(T)向小駄良(T)赤瀬橋16:27(岐阜乗合自動車バス)16:28向小駄良(T)美濃白鳥16:32(長良川鉄道18)18:32美濃太田18:39(3750D)19:17岐阜19:22(5254F)19:40名古屋19:47(のぞみ26)21:30東京

と、越美北線不通の影響を受けたが、猪谷駅での乗り間違いも含めて再現している。