新幹線訴訟と営業キロ

11月18日の記事で「キロ程」から「営業キロ」への変更について、新幹線運賃訴訟との関連について触れた。昭和53(1978)年10月18日の衆議院運輸委員会で国鉄運賃法改正の提案が審議されているが、その議事録に新幹線訴訟の経緯が書かれていた。
運賃法改正提案の趣旨は、全国新幹線鉄道整備法に基づき建設中の東北・上越新幹線営業キロを従来の東海道・山陽新幹線と同様、在来線のキロに基づき定めるよう、法律で規定しようというもの。高木国鉄総裁も説明員として出席し、運賃問題について鉄分の濃い質疑がなされているが、提案どおり可決され、1980年の国鉄運賃法の改定で次の条項が新設された。

営業キロ
第7条の2 営業キロは、運輸省令で定めるところにより、営業線の線路又は航路(以下「線路等」という。)における隣接する駅の区間ごとに、その距離を基礎として日本国有鉄道が定めるキロ数による。ただし、既設の線路等に最近し、又は並行して新設され、又は増設された線路等における隣接する駅の区間については、当該既設の線路等において相当する駅の区間がある場合には、その相当する駅の区間の距離を基礎として日本国有鉄道運輸大臣の承認を受けて定めるキロ数によることができる。

1980年4月改定の旅客営業規則の第14条第2項で、

2 前項の営業キロは、旅客の乗車船する発着区間に対する駅間のキロ数による。

としか書いてないのは、法律の規定で十分ということだろう。