旅規リンク集更新

旅規リンク集を更新した。新たにウェブで発見した旅規は、三陸鉄道会津鉄道ゆりかもめの3社。ゆりかもめは、手回り品の点検強化に関する旅規改定の案内ページに、新旧対比表とともに旅規本文を掲載している。 

ほかにも横浜シーサイドライン神戸電鉄神戸新交通智頭急行が旅規改定案内を掲載しているが、新旧対比表だけで、肝心の旅規本文を掲載していない。

続・2020年度JR東日本駅別乗車人員

JR東日本駅別乗車人員には定期外と定期の内訳が示されている。2020年度は、定期外・定期ともに減少しているが、定期外旅客の落ち込みが大きい。2019年度と比較できる896駅を都県別に集計した。また参考として、県別の10万人あたり累計感染者数(7月12日現在)を記載した。

都県 駅数 乗車人員 増減率 定期外比率 10万人あたり
累計感染者数
2020 2019 合計 定期外 定期 2020 2019
東京 130 6,379,394 9,552,340 -33.2% -41.8% -27.5% 34.8% 40.0% 1295.02
神奈川 81 2,172,367 2,979,653 -27.1% -34.1% -23.3% 31.4% 34.8% 763.99
千葉 115 1,479,076 2,007,614 -26.3% -36.2% -21.4% 29.1% 33.5% 670.30
埼玉 65 1,307,290 1,741,098 -24.9% -34.9% -20.2% 27.9% 32.2% 653.81
宮城 66 234,557 316,236 -25.8% -43.1% -16.0% 27.8% 36.2% 405.12
茨城 51 176,876 235,957 -25.0% -45.3% -17.3% 20.2% 27.6% 378.48
新潟 63 103,868 138,006 -24.7% -49.1% -10.7% 24.7% 36.5% 158.56
栃木 26 86,869 124,504 -30.2% -51.7% -18.4% 24.5% 35.5% 374.92
長野 62 77,859 105,512 -26.2% -54.3% -7.8% 24.5% 39.5% 247.01
群馬 28 65,577 95,518 -31.3% -48.6% -21.3% 27.6% 36.9% 416.58
福島 54 60,260 83,277 -27.6% -50.2% -13.0% 27.0% 39.2% 277.94
岩手 35 38,956 51,231 -24.0% -51.9% -6.4% 24.5% 38.6% 148.61
山梨 17 28,891 44,716 -35.4% -53.4% -22.7% 29.8% 41.3% 267.27
山形 32 21,977 31,040 -29.2% -57.3% -12.9% 22.2% 36.8% 193.41
秋田 47 24,121 30,480 -20.9% -47.6% -7.4% 22.3% 33.6% 98.01
青森 22 17,155 24,895 -31.1% -54.0% -4.0% 36.1% 54.1% 205.13
静岡 2 10,865 18,094 -40.0% -51.9% -14.4% 54.5% 68.1% 264.50
合計 896 12,285,958 17,580,171 -30.1% -39.9% -24.3% 32.1% 37.3%  
首都圏 391 11,338,127 16,280,705 -30.4% -39.3% -25.0% 32.6% 37.4%  
その他 327 947,831 1,299,466 -27.1% -48.5% -14.9% 25.5% 36.1%  

896駅の合計の減少数は529万で、定期外客が262万人、定期客が267万人減少した。減少率はそれぞれ39.9%と24.3%で、定期外客の構成比は5.2ポイント低下した。これを東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏とそれ以外の県にわけてみると、首都圏以外の地域では定期客の減少が小さく、定期外客の減少の差が33.6ポイントになった。とくに、長野、岩手、秋田、青森の定期客減少率は1桁である。これに対し、首都圏では定期外客の減少が定期客よりも大きいが、その差は14.3ポイントと小さい。

テレワークの進んでいる首都圏では、定期客もある程度減少している。そのなかでも東京都は最大の減少率である。乗車人員減少率と10万人あたり感染者数の相関*1をとってみると、-0.323という弱い負の相関だった。なぜか定期外旅客の減少率とは0.693と正の相関(感染者が多い地域ほど減少率が小さい)。定期客の減少率とは-0.790とかなり高い負の相関で、感染者が多い地域ほどテレワークが進み、定期客の減少が大きかったといえる。

*1:2駅のデータしかない静岡県は除外した

2020年度JR東日本駅別乗車人員

新型コロナの影響がどうでるか注目していたJR東日本各駅の乗車人員2020年度が発表された。リストされているのは898駅で、2019年度の909駅から11駅減った。高輪ゲートウェイと江見が加わり、新治、涌谷、児玉、笹川、陸奥鶴田出雲崎陸奥湊、石打、陸奥横浜、小佐野、向能代川原湯温泉上野尻が消えた。

新型コロナの影響で各駅の乗車人員は昨年以上に減少した。19年度と比較できる896駅中増加したのは7駅だけである(他に増減ゼロが1駅)。例年どおり、増減数と増減率のトップ10、ボトム10の駅を記載する。

まずは、増減数ボトム10。乗車人員が多い駅の減少数が大きく、乗車人員トップ10の駅が9駅ランクインした。長距離客の多い駅が大きく落ち込み、横浜、渋谷が東京、品川を抜いて順位を上げた。上野も2006年以降13年続いていた13位から14位に順位を下げた。

  路線 都県 2020 順位 2019 順位 増減数 増減率
1 新宿 山手 東京 477,073 1 775,386 1 -298,313 -38.5%
2 池袋 山手 東京 376,350 2 558,623 2 -182,273 -32.6%
3 東京 東海道 東京 271,108 4 462,589 3 -191,481 -41.4%
4 横浜 東海道 神奈川 290,376 3 419,440 4 -129,064 -30.8%
5 品川 東海道 東京 220,930 6 377,337 5 -156,407 -41.5%
6 渋谷 山手 東京 222,150 5 366,128 6 -143,978 -39.3%
7 新橋 東海道 東京 175,368 8 278,334 7 -102,966 -37.0%
8 大宮 東北 埼玉 188,576 7 257,344 8 -68,768 -26.7%
9 秋葉原 東北 東京 156,102 11 248,033 9 -91,931 -37.1%
10 上野 東北 東京 114,064 14 182,704 13 -68,640 -37.6%

次は増減率ボトム10。成田空港と空港第2ビルが1位、2位を占め、新幹線駅が3駅ランクインした。東北福祉大前はオンライン授業の影響か。

  路線 都県 2020 順位 2019 順位 増減数 増減率
1 成田空港 成田 千葉 1,437 506 7,248 310 -5,811 -80.2%
2 空港第2ビル 成田 千葉 1,894 461 5,629 342 -3,735 -66.4%
3 甲斐大泉 小海 山梨 14 891 41 891 -27 -65.9%
4 上越妙高 北陸(幹) 新潟 773 614 2,100 490 -1,327 -63.2%
5 川崎新町 南武 神奈川 1,134 546 3,009 434 -1,875 -62.3%
6 新花巻 釜石 岩手 349 725 891 632 -542 -60.8%
7 上田 北陸(幹) 長野 1,107 549 2,776 449 -1,669 -60.1%
8 いわて沼宮内 東北(幹) 岩手 33 882 76 875 -43 -56.6%
9 東北福祉大 仙山 宮城 1,560 497 3,579 403 -2,019 -56.4%
10 求名 東金 千葉 903 577 2,024 501 -1,121 -55.4%

続いて増加数のトップ10。前述したとおり増加した駅は7駅しかないので、意味がある数字ではない。平滝は、2017年度以降5、3、2、3と増減を繰り返している。

  路線 都県 2020 順位 2019 順位 増減数 増減率
1 広野 常磐 福島 456 693 438 726 18 4.1%
2 袋田 水郡 茨城 68 862 59 879 9 15.3%
3 鹿角花輪 花輪 秋田 197 772 193 802 4 2.1%
4 羽前椿 米坂 山形 29 885 26 900 3 11.5%
5 津南 飯山 新潟 78 853 76 873 2 2.6%
6 横倉 飯山 長野 12 894 10 908 2 20.0%
7 平滝 飯山 長野 3 898 2 909 1 50.0%
8 東館 水郡 福島 54 870 54 882 0 0.0%
9 森宮野原 飯山 長野 27 886 28 899 -1 -3.6%
10 相野々 北上 秋田 9 896 10 906 -1 -10.0%

次に増加率トップ10。

  路線 都県 2020 順位 2019 順位 増減数 増減率
1 平滝 飯山 長野 3 898 2 909 1 50.0%
2 横倉 飯山 長野 12 894 10 908 2 20.0%
3 袋田 水郡 茨城 68 862 59 879 9 15.3%
4 羽前椿 米坂 山形 29 885 26 900 3 11.5%
5 広野 常磐 福島 456 693 438 726 18 4.1%
6 津南 飯山 新潟 78 853 76 873 2 2.6%
7 鹿角花輪 花輪 秋田 197 772 193 802 4 2.1%
8 東館 水郡 福島 54 870 54 882 0 0.0%
9 川部 奥羽 青森 260 747 265 774 -5 -1.9%
10 神俣 磐越東 福島 136 814 140 840 -4 -2.9%

なお、JR東日本の駅別乗車人員の過去記事は以下にある。

国界を越える鉄道更新

国界を越える鉄道を更新した。読者の指摘を受けて、智頭急行の播磨・美作国界を石井・宮本武蔵間から平福・石井間に変更した。

石井駅が所在する旧石井村は美作国吉野郡に所属し、1889年6月1日の岡山県市制町村制施行で7村が合併して誕生した。1896年4月1日兵庫県佐用郡編入され、その後昭和の大合併で1955年3月1日旧佐用町ほか5町村の合併で佐用町となった。備前国福河村の一部が分離し、兵庫県編入されたことは赤穂線備前福河駅から知っていたが、美作国にもまたがっているたとは知らなかった。兵庫県は、摂津、丹波、但馬、播磨、美作、備前、淡路の7か国からなる大県だ。明治になって制定された北海道の10か国には負けるが。

この機会に都道府県境踏破と照合して間違いを発見、山陽新幹線の播磨・備前国界(帆坂トンネル)を1箇所から3箇所に、備中・備後国界(明知トンネル)を5箇所から3箇所に訂正した。

7月1日旅規改定等

JR東日本旅規改正履歴に7月1日の旅規改定が記載されている。ちょっと早いが旅規ポータルのJR東日本旅規改訂履歴(条項順日付順)を更新した。

290 条の3、307条と309条は、危険物の車内持込み防止のために手回り品点検を強化する関連規定。旅客制度上の最大のポイントは、JR九州の普通回数券発売終了である(リリース)。39条1項に次のただし書きが規定された。

ただし、下関発又は着となるものを除く九州旅客鉄道会社線内相互発着となる区間については、第40条及び別に定める割引の普通回数乗車券を除き発売を行わないものとする。

民営化後34年を経て、JR6社共通の旅客制度がまたひとつ崩れた。なお、JR西日本ICOCAエリア内の普通回数券の発売を9月30日をもって終了すると発表している(リリース)。

データルームでは、5月27日の改定で基準規程の規定が旅規に移行したことに伴い、JRの運賃計算ルールは複雑すぎるJR旅客制度特例の変遷を更新した。旅規と基準規程とに分かれていた急行券発売と急行料金規定が旅規に統一されたが、57条の特定特急券と57条の3の特定の特別急行券の2種類が混在し、発売規定と料金規定の対応が取れていないなど、相変わらずわかりにくい。

第13回全国のJR駅五番勝負(難易度分析)

全国のJR駅五番勝負・難易度分析 (問題別回別)を、第13回の結果を織り込んで更新した。回別の総合難易度はちょうど真ん中の13回中7位だった。問題別総合難易度は、E難度(問四)、D(問ニ)、C(問五)、B(問三)、A(問一)とわかれた。指標別にみると、問二と問四が難しく、問三と問一が易しいという結果になった。出題者の事前予想は完全に外れた。

総合難易度 問四>問ニ>問五>問三>問一
金メダル所要時間 問ニ>問四>問五>問一>問三
銅メダル所要時間 問ニ>問四>問三=問五>問一
誤答率 問四>問ニ>問五>問三>問一
完答者正答順 問ニ>問四>問五>問三>問一
出題者事前想定 問五>問三=問四>問一>問ニ

完答者正答順は、完答者8名の問題別正答順位を合計15になるように数値化したもの。

  解答者 問一 問二 問三 問四 問五
1 駿河の民 3 5 1 4 2 15
2 N 2.5 2.5 2.5 5 2.5 15
3 勿来丸 1 4.5 2 3 4.5 15
4 かしわ 3 5 2 4 1 15
5 鳴子こけし 2.5 2.5 2.5 5 2.5 15
6 しみちょく 2 5 3 1 4 15
7 やまやま 1 2 5 4 3 15
8 油天神山 2.5 2.5 2.5 5 2.5 15
9 未開人 2.5 2.5 2.5 5 2.5 15
10 戦部ゆーと 1 2 3 4 5 15
  平均 2.143 3.786 2.571 3.714 2.786 0.723
  標準偏差 0.852 1.380 1.239 1.380 1.185 1.207

解答者の平均正答順位は、問ニが3.786で最大、問一が2.143と最小だった。4人が一発完答を狙ったこともあり、平均3.000に対し+0.786、-0.857の間に収れんした。問二と問四は、バラツキを示す標準偏差が1.380(全65問中14位)で、解答者によって難易度がわかれた。平均正答順位の標準偏差は、第3回問一(各都道府県で富士山からの直線距離が最も短い駅、難度D)の1.643が最大で、第1回(都道府県庁から直線距離が最も短い駅、難度A)0.656が最小。

平均正答順位5問の標準偏差は0.723でバラツキが小さく、全13回中5位。なお最小は第12回の0.188で、金メダルが5人に分散する結果となった。逆に各問の標準偏差の平均は1.207で、13回中10位。

第13回の結果を加えて全国のJR駅五番勝負・全想定解を更新した。13回全65問の想定解該当駅は1,812駅になり、39.9%となった(分子分母とも、第1回開催以降廃止・移管された駅を含む)。また、全国のJR駅五番勝負・ヒント集を更新し、全国の鉄道路線五番勝負・ヒント集を掲載した。

感想をいただきありがとうございました。問五は良問というコメントをもらいましたが、出題者にとってもベスト3に入る会心の作でした。なお他の2問は9回問ニ(15区時代の東京市内駅)と11回問ニ(ローマ字駅名に"j"と"r"を含む駅)。

第13回全国のJR駅五番勝負(終了)

共通項を発表し、第13回全国のJR駅五番勝負を終了します。

問題 共通項 想定解数
問一 漢字の上下を反転した駅のペアで北にある駅 27
問二 表記と読みの字数が同じ市名駅 54
問三 都道府県庁最寄り駅から県内で最も遠い駅(JRのみを利用した営業キロ 46
問四 都道府県庁最寄り駅から県外で最も近い駅(JRのみを利用した営業キロ 46
問五 問一から問四の問題駅に隣接する駅 46

全想定解を記載した全国のJR駅五番勝負想定解・解説 をのちほど掲載します。以下、問題別に。

問一は、第7回問三(同名駅(表記)のなかで最も東にある駅)の類題。緯度差が最大の吉田と最小の松下(相手の2駅のうち阪和線下松との緯度差)を出題した。上道(あがりみち、境線)と上道(じょうとう、山陽本線)は、どちらも道上(みちのうえ、福塩線)より北にあり該当。27駅中25駅が相手より東にあるが、西にある2駅から目出(もう一つは木葉)を出題し、別解を排した。

問ニの表記と読みの字数は第7回問四(表記四文字読み五文字の国名駅)で出題したことがある。表記と読みの字数が一致する市は126市あるが、JRに同表記の駅があるのは54市。今回もっとも易しい、初心者向け問題として出題したが、全国の市十番勝負からの参加者のメダルラッシュを懸念していた。最難問となってしまったのはまったく意外だった。

問三。起点の県庁最寄り駅は、第1回問四(都道府県庁から直線距離が最も短い駅)の想定解とした。茨城県庁最寄りの臨時駅偕楽園営業キロの設定がないため、運賃計算に用いる外方駅(水戸方面は赤塚、内原方面は水戸)からのキロ。半数の23駅が第2回問五(各都道府県で東京駅に最も遠い駅)と共通する。最長の根室と最短の大聖寺を出題。JRのみの条件を示すため、好摩を出題し、非該当に久慈と和倉温泉を提示した。

問四は、問三の類題で大聖寺、杉原、山中渓、津和野、大歩危箕浦が問三の想定解と共通する。最短の山科と最長の奥津軽いまべつを出題した。非該当に、新宿駅からではなく、東京駅からなら最短となる舞浜を提示した。一発完答を狙った4名が全員問四でつまづいたのは謎。

問五。問題駅に東西南北を冠した駅を揃え、想定解数を問三・問四と同じ46とし迷彩をかけたにもかかわらず、簡単に見破られてしまった。東西南北を冠しただけの東根室、北吉田、北赤羽などを問題駅とするのは避けたが、駅数が少ない千歳線花輪線小野田線から出題し、共通項にたどり着けると考えていた。非JR駅第1ヒントの佐世保中央で東西南北縛りを外し、第2ヒントで出題駅から東を外した鷲宮を提示した。

今回は、駿河の民さんの圧勝でした。第1回採点前に問二を正答すれば一抜けという状況で誤答。これでNさんの連覇かと思っていたら、採点後すばやく問二を正答し、7分差で完答第1号となりました。初めての金メダルをいきなり3個(鉄道路線勝負では2個獲得済み)というのも立派です。問三の金メダル6分25秒は、第1回からのJR駅勝負全65問中最短記録。鉄道路線勝負の最短記録6分34秒(第3回問一(なかぐろ)の戦部ゆーとさん)も上回り、JR駅と鉄道路線をあわせた全80問中の最短記録です。

難易度分析と想定解分析は、明日以降に掲載します。今回は問題ごとの難易度の差が小さく、解答者によって難問が異なっていたことが特徴的でした。次回は、9月に第4回全国の鉄道路線五番勝負を開催します。第14回全国のJR駅五番勝負は、12月に開催します。