Hatena Blogに移行しました

はてなダイアリーの終了に伴い、「デスクトップ鉄の雑記帳」は、Hatena Blogに移行しました。雑記帳の過去記事は、1月26日の記事を除き、インポートされています。

ブックマークされている方は、こちらに変更してください。

1月26日の「京急の4駅名改称」を再掲します。

*[stn]京急の4駅名改称

京急は、昨25日付で2020年3月4駅の名称を変更すると発表した。改称されるのは、産業道路駅花月園前、仲木戸新逗子の4駅で、それぞれ大師橋花月総持寺京急東神奈川、逗子・葉山となる。リリースには

創立120周年記念事業として、沿線地域の活性化に繋げることを目的に、町名、地域シンボルおよびお客さまの利便性等を総合的に判断し、2020年3月、4駅の駅名を変更いたします。(中略)沿線の小中学生を対象に行った「わがまち駅名募集」においていただいたご意見を参考に、さまざまなことを総合的に勘案し決定したものです。

と書かれている。
「わがまち駅名募集」は、昨年9月19日の記事でとりあげた。応募総数は1,119件で「駅名変更に際して参考にさせていただきました」とある。64,052件の応募の中から36件で130位の駅名を採用した高輪ゲートウェイの不評を気にしたのか、応募された駅名や票数などは示されていない。しかし、小中学生限定とはいえ*1、1,119件しか応募がなかったというのは、いかにも少ない。泉岳寺駅を除く72駅が公募の対象駅であり、1駅あたり平均15件。応募があっても駅名変更を予定していないとされた26駅を除いた46駅を分母にしても、1駅あたり平均24件しかない。1人が全駅に応募し、これを1件として数えても、高輪ゲートウェイ公募の60分の1である。
新駅名でもっとも違和感があるのは、逗子・葉山である。新逗子駅は逗子市にあり、1985年に統合される前の駅名も京浜逗子と逗子海岸で、葉山は全く関係ない。リリースは選定理由を

ブランド力のある逗子と葉山を合わせた駅名に変更することで、三浦半島の更なるイメージ向上と定住人口・交流人口増により、地域活性化を図る。また、羽田空港からの直行電車の終端駅のため、行き先として駅名が表示されることにより、多くのお客さまに保養地、景勝地である葉山へのアクセスポイントでもあることを広く認知していただく。

としている。自治体名の連称は、川西池田川西市、JR西・福知山線)があり、かつては水沢江刺奥州市、JR東・東北新幹線)があった。川西池田1893年隣接している大阪府の池田の名前で開業、1951年所在する川西を付して連称駅名となった。1985年新設された水沢江刺は、水沢市江刺市との境界の水沢市側にあったが、江刺を連称駅名に採用した。その後両市は合併し奥州市となり、奥州駅への改称を模索したが、コスト負担のため見送られた(駅名改称の研究参照)。当初新函館とされていたが、北斗市にあるため新函館北斗とした例もある。しかし逗子・葉山にはこのような必然性がない。三浦半島の人口減少に悩む京急は、葉山のブランドに頼りたいのかもしれないが、逗子市に対して失礼だろう。しいて葉山の名前を使うなら、京急逗子・葉山口くらいか。
今回の駅名公募は、産業道路駅の改称が主眼だった。地下化され駅前の産業道路の踏切はなくなるが、大師橋産業道路多摩川を渡る橋の名前である。駅名を変える必要があったのだろうか。
前記事では雑色、仲木戸など、駅名にしか残っていない絶滅危惧地名がなくなることの懸念を表明した。雑色は残ったが、仲木戸京急東神奈川になる。花月園前から改称される花月総持寺は、旧総持寺駅の名前を復活した。総持寺駅は、1911年京急鶴見駅と生麦の間に開業し(その後1914年花月園前が開業)、1944年に廃止された。なお阪急の総持寺駅は1936年総持寺前として開業、1948年総持寺駅に改称。2018年JR西日本JR総持寺駅が開業した。

*1:なぜ小中学生限定なのかという批判があった