JR旅客連絡運輸規則別表

6月15日に旅規ポータルに掲載した1986年11月1日現行の国鉄最後の連絡運輸別表に続き、民営化時点のJR旅客連絡運輸規則別表(1987年4月1日現行)と基準規程別表から作成したJR旅客連絡運輸区域(1987年4月1日現行)を掲載した。国鉄版は鉄道、航路、自動車線の順に北から番号を振っていたが、JR版は管轄のJR会社ごとに附番している。
この5か月間に第3セクターに転換した天竜浜名湖鉄道長良川鉄道伊勢鉄道の3社が連絡運輸会社に加わり、筑波鉄道野母商船長崎県交通局の3社局が外れた。筑波鉄道は3月31日限りで廃止されたが、野母商船長崎県交通局は営業を継続しており、連絡運輸のみの廃止である。継続している他の会社の連絡運輸範囲は、名古屋鉄道や九州の一部の会社などを除き大きく変わっていない。名古屋鉄道の連絡運輸範囲はかなり縮小され、国鉄線金谷・豊橋間経由の大井川鉄道との連絡運輸も廃止された。2012年のJRとの連絡運輸全廃に至る。営団地下鉄の定期券の連絡運輸範囲も縮小されているが、小田急線の部に記載されている北千住・代々木上原間経由の常磐線亀有・取手間各駅との連絡運輸も記載されておらず、漏れがあるのではないかと思う。
原典は1987年3月発行の中央書院版赤表紙であるが、筑波鉄道は連絡運輸会社番号(222)が与えられており、正誤表で削除されている。伊予鉄道の欄などに「四鉄駅前」の表記がみられるが、旧「国鉄駅前」から改称された「JR松山駅前」の名称が確定していなかったと思われ、正誤表でも訂正されていない。
追記(9月6日):連絡運輸区域の経由の記載に関するコメントがあったので、追記する。(229)北総開発鉄道・住宅都市整備公団鉄道は、規則別表の経由欄に「新京成電鉄松戸・北初富間」または「新京成電鉄松戸・北初富間及び北総開発鉄道北初富・小室間」と記載されているので、これが適用され基準規程別表に記載していないと思われる。(218)上毛電気鉄道も、規則別表の経由欄に前橋接続は「自動車線前橋・中央前橋間」、相生接続は「東武鉄道相老・赤城間」が記載され、基準規程別表には記載していない。JRと社線の連絡運輸は規則別表でカバーし、基準規程別表に経由が記載されるのは、(203)三陸鉄道のように通過連絡運輸のケースと思われる。
もう一つ、規則別表の経由欄に記載されているJR各社について。(206)津軽鉄道に記載がなく、(207)弘南鉄道JR東日本が記載されているのは、津軽鉄道の連絡運輸がJR東日本だけなのに対し、弘南鉄道JR北海道とも行っているためである。JR6社と連絡運輸している小田急は、本州3社が記載されている。三島会社が記載されないのは、発着駅で経由しないためだろう。しかし、(601)福岡市交通局などにはJR九州が記載されている。JR北海道JR四国と整合性が取れておらず、2015年8月21日の記事にコメントがあったように、JR九州を書く意味がよくわからない。