東急の12か月間定期券

東急は、3月17日から有効期間が12か月の定期券を発売する、鉄軌道旅客運賃の設定認可申請を行った(1月9日付リリース)。「定期券の多発期を分散させることにより定期券売り場などの混雑を緩和するとともに、購入回数の減少によるお客さまの利便性向上を図る」ことを目的としている。
運賃は1か月定期券の1割引で、現行の6か月定期券の割引率と変わらない。ただし、どちらも10円未満の端数を切り上げるので、6か月定期運賃の2倍額より10円安くなるキロ帯がある。
他社に先駆けての発売なので、連絡定期券は発売せず、利便性は疑問である。PASMO協議会などで、連絡運輸各社と調整できなかったのだろうか。
追記(2月3日):コメントがあった国鉄の12か月定期について、旅規を調べてみた。1966(昭和41)年3月5日の改定*1で、第35条(通勤定期乗車券の発売)に第2項が挿入され、

2 前項の規定によるほか、6箇月の通勤定期乗車券を継続して同時に購求する旅客に対しては、これを2倍して通用期間を12箇月とした1枚の通勤定期乗車券を発売することがある。

と規定された。別表第1号の2イの2(鉄道の大人通勤定期旅客運賃(2等))に12箇月定期の運賃は記載されておらず、「これを2倍して」は運賃を意味していると思われる。
コメントのとおり、1968年4月1日の旅規改定で第35条2項は削除されている。

*1:この日の改定で、普通定期券が廃止され、通勤定期券に一本化された