JR総持寺駅

来春開業する新駅は、すでに取り上げたあしかがフラワーパークに加えて、ダイヤ改正日の3月17日に開業するJR西日本東海道本線摂津富田・茨木間のJR総持寺駅おおさか東線JR長瀬・新加美間の衣摺加美北駅、あいの風とやま鉄道高岡・西高岡間の高岡やぶなみ駅がある。このうち、JR総持寺は既設の阪急総持寺駅に対してJRを冠し、10年ぶり9番目の「JR*」駅となった。すべてJR西日本にある。

駅名 路線 開業(改称)日 旧駅名 対応駅 事業者 路線
JR難波 関西本線 1994/09/04 湊町 難波 南海 南海本線
JR藤森 奈良線 1997/03/08 藤森 京阪 京阪本線
JR三山木 片町線 1997/03/08 上田辺 三山木 近鉄 京都線
JR小倉 奈良線 2001/03/03 小倉 近鉄 京都線
JR五位堂 和歌山線 2004/03/13 五位堂 近鉄 大阪線
JR河内永和 おおさか東線 2008/03/15 河内永和 近鉄 奈良線
JR俊徳道 おおさか東線 2008/03/15 俊徳道 近鉄 大阪線
JR長瀬 おおさか東線 2008/03/15 長瀬 近鉄 大阪線
JR総持寺 東海道本線 2018/03/17 総持寺 阪急 京都本線

名駅回避のため、既設駅と異なった場所に後から開業した駅が社名を冠すのは一つの方法である。「JR*」駅は民営化によってJR各社も一鉄道事業者になったことを示したものといえる。戦前は、松山や新子安など国鉄の新駅開業にあたり私鉄の既設駅を改称させた(私鉄が忖度してみずから改称した?)こともしばしばあった。
関西の大手私鉄5社のうち南海、阪急、阪神に社名駅はない。阪神は野田、尼崎、西宮、芦屋、住吉及び元町が、阪急は塚口、伊丹及び宝塚がJRの同名駅の構内に乗り入れているわけではないのに、社名等を冠していない。このうち、尼崎は官営鉄道が1874年神崎として開業し、1949年尼崎に改称したから、1904年開業の阪神が先行している*1。芦屋も国鉄駅の1913年開業に対し、阪神は1904年。この2駅以外は、国鉄のほうが阪神・阪急よりも先行開業している。阪急の神戸線宝塚線系統と阪神は軌道として開業したから、国鉄も黙認していたのか。地方鉄道だった阪急京都線高槻市茨木市などは国鉄駅名と区別している。
なお、表にあるように最初の「JR*」駅は1994年湊町から改称したJR難波である。2年前の1992年10月22日開業した六地蔵駅は、京阪に既設駅があるのにJRを冠さなかった。

*1:廃止された尼崎港駅の旧駅名尼ケ崎駅の開業も1911年だからこれよりも先行