「木曽あずさ」・「諏訪しなの」

JR各社から夏の臨時列車が発表されたが、JR東日本リリースに記載されている「木曽あずさ」と「諏訪しなの」が注目される。7月からの信州デスティネーションキャンペーンにあわせて、「木曽あずさ」は189系で新宿・南木曽間に、「諏訪しなの」は383系で名古屋・茅野間に運転される。中央東線中央西線を直通する列車である。
時刻表復刻版を調べてみると、戦前は東西の直通列車がけっこうあった。昭和5年10月号によると、飯田町・名古屋間に5往復の直通列車(うち4往復は、松本・長野行列車に併結)が運転されていたほか、飯田町・中津川間や甲府・名古屋間の列車もあった。昭和19年10月号でも、下りは新宿・名古屋間5本、八王子・名古屋間2本、新宿・中津川間1本、上りは名古屋・新宿間6本、名古屋・大月間1本、中津川・新宿間1本の列車があった。
戦後は直通列車がなくなり、運行系統は東西に分離された。唯一直通列車を見つけたのは復刻版時刻表1956年12月号。新宿発長野行き413レと塩尻行419レに「客車の一部は名古屋着」と注記され、それぞれ西線区間を828レ、808レに併結されていた(名古屋発新宿着も2列車)。
1982年5月17日、東西を結ぶ本線上にあった塩尻駅は500メートル広丘駅寄りに移転した。東西両線はそれぞれ松本方面に直通する線形となったが、旧本線も連絡線として残っている。「木曽あずさ」と「諏訪しなの」が塩尻駅に停車するかどうか不明だが、塩尻駅で停車するときは、スイッチバックする必要がある。
そのほか、特急料金がどうなるかも興味深い。JR東日本の「あずさ」の特急料金とJR東海の「しなの」の特急料金は、150kmまではJR東日本の方が安い。JR東海夏の臨時列車のリリースで、「諏訪しなの」について記載していない*1ところを見ると、JR東日本の料金体系に合わせるのかもしれない。

*1:信州デスティネーションキャンペーンのリリースには、「JR東日本JR東海が共同で運行する」と記載されている