JR東日本が駅ナンバリング

JR東日本が東京電車特定区間の276駅を対象に、駅ナンバリングを導入すると発表した(4月6日付リリース)。JRではJR四国JR北海道に次ぐ3社目で10月1日から順次実施する。アルファベット2文字の路線記号(頭のJは共通)と2桁の駅番号からなり、運転系統別に附番される。これに加えて東京、新宿など複数の系統が乗り入れる21駅(うち山手線内が13駅)には、IATAの空港・都市コードにならったスリーレターコードも割り当てられる。
東京駅は東海道本線のJT01、横須賀・総武快速線のJO19、京浜東北根岸線のJK26、山手線のJY01、中央快速・青梅・五日市線のJC01、宇都宮・高崎線のJU01、京葉線のJE01と7個の番号とスリーレターコードTYOが割り当てられる。7個の番号は、これまで同一事業者で最多だった東京メトロ大手町駅の4個(M18、T09、C11、Z08)を一挙に抜き去る。JR単独で東京に続くのは新宿駅の5個(山手JY17、中央快速JC05、中央総武JB10、埼京JA11、湘南新宿ラインJS20)。
複数事業者の共同駅では、これまで渋谷駅の6個(G01、Z01、F16、TY01、DT01、IN01)が最多だった。渋谷はこれにJRの3個(山手、埼京、新宿湘南ライン)が加わり計9個となる。新宿駅はJRの5個に京王、小田急東京メトロ都営地下鉄新宿線大江戸線)を加えると10個となり、渋谷駅と横浜駅東海道、横須賀、京浜東北・根岸、湘南新宿ライン、東急、京急、相鉄、横浜市営地下鉄横浜高速鉄道)の9個を上回る。東京駅がJR7個に東京メトロを加えて計8個、池袋駅がJR3個に東京メトロ(丸の内線、有楽町線副都心線)、東武、西武を加えて計8個で4位タイである。
2020年に予定されている田町・品川間の新駅のために京浜東北線JK21と山手線のJY26が欠番となっている。なお、小田栄にもJN53が振られ、駅として認知されている。
名鉄も3月から駅ナンバリングを実施した(3月14日付リリース)。河和線の高横須賀(KC01)と南加木屋(KC03)の間が飛んでいて、新駅開業に備えている。
一方新駅開業を機に番号を振りなおした例もある。4月1日開業した京福電鉄北野線の撮影所前駅は、従来嵐山本線との分岐駅の帷子ノ辻駅に振られていたB1を貰った。また嵐山本線は欠番だったA2を解消し、番号を一つずつずらした。その結果、帷子ノ辻駅は、嵐山本線のA9と北野線のB1の複数附番から嵐山本線のA8だけに変更になった。
追記(4月14日):鉄道事業者駅ナンバリングを導入するのは、外国人旅行者を意識している。JR東日本のリリースには、「2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催を見据え、訪日外国人旅行者をはじめ、すべてのお客さまによりわかりやすく、安心して鉄道をご利用いただくために」とある。
しかし、日本の鉄道について議論するYAHOO GroupのJTRAINS(閲覧にはメンバー登録が必要)の議論では、鉄道事業者の期待に反して日本在住経験がある外国人にとって駅ナンバリングは役に立っていないようだ。主な意見を紹介すると

  • 駅名だけで十分で、自宅を訪問する友人に駅番号を教えたことはない
  • ナンバリングが役に立つのは、目的駅まであと何駅あるかを計算できること
  • 地下鉄の路線記号は、同じイニシャルの路線が複数あるため、路線名と必ずしも一致せず、わかりにくい
  • 日本の鉄道の旅客案内表示は優れていて、ナンバリングはそれに追加するものだが、かえって混乱する

とくに評判が悪いのは、一つの駅に複数の附番をすることで、投稿者3名が一致して混乱のもとという意見。一投稿者はソウルの例を紹介している。番号が振られているのは1路線の駅だけで、複数の路線が乗り入れるジャンクションは路線記号だけで番号がない(路線図)。こうして、同じ駅に別の番号が割り当てられるのを回避している。
日本在住経験がある外国人の意見であり、インバウンド旅行者にとって役に立つかどうかわからないが、同一駅の複数附番には問題がありそうだ。