気仙沼線・大船渡線BRT継続

JR東日本は、24日国土交通省で開催された沿線自治体との会合で、気仙沼・大船渡両線のBRTの継続を本復旧とする案を示したという。各紙の報道:
大震災:大船渡線と気仙沼線「鉄道復旧を断念」案を提示毎日新聞
JR大船渡・気仙沼線の鉄路復旧断念を正式表明(読売新聞)
<鉄路復旧断念>JR東、BRTでの復旧提案河北新報
JR東、鉄路復旧断念 大船渡線気仙沼―盛間 沿線自治体に提示岩手日報
JR東日本としては、鉄道で復旧するには1,100億円を要し、「鉄路復旧については責任をもって提案できない」とのことで、山田線と対応が分かれた。山田線は、210億円のうち140億円を負担して復旧し、三陸鉄道に無償譲渡、さらに移管協力金30億円を支払うという。
沿線自治体の対応は、毎日によると

これに対し、岩手県大船渡市、陸前高田市宮城県気仙沼市登米市南三陸町のうち、気仙沼市を除く4市町はJR東の提案に理解を示した。今後、住民に説明し、次回会合までに受け入れの可否を判断するとみられる。一方で、気仙沼市の菅原茂市長は「住民に説明するには至らない内容で不十分だ」と批判。今後もJR東と協議を継続する考えを表明した。

と分かれているが、気仙沼市の対応は、<気仙沼線>市長「BRT継続も選択肢」という記事(河北新報6月23日)もあり、条件闘争のようだ。
宮脇俊三氏は足尾線で国鉄完乗を果たした後、1977年12月11日の開通日に気仙沼線に乗車し、タイトルを防衛した。「時刻表2万キロ」には開通を歓迎する沿線の熱狂ぶりが書かれている。

 いよいよ悲願八十年の志津川に着く。
 気仙沼線の中心駅だけに大きな新駅である。しかし広いホームに立つ人の数は意外に少ない。そのかわり、サッカーでもやれそうな広い駅前広場はびっしりと人間で埋まっていて、思わず口を開けて見下ろしたところ五千人以下ではない。一万人ぐらいかもしれない。志津川は人口一万七千だからまさに町を挙げてである。特設の舞台も設けられている。花火が打ちあがり、風船が何百と放たれ、少なくとも百羽以上の鳩が飛び立った。上空にはヘリコプターが三機も旋回している。これはもはや出征兵士の見送りではない。

2014年10月1日の南三陸町の推計人口は13,868人。1975年国勢調査の人口は、志津川町16,076 人、歌津町が6,267人で併せて22,423人だったから、40%近く減少した。「現実を直視すれば、鉄路での復旧は不可能だ」という南三陸町長(毎日記事)の冷めた対応もやむをえないのだろう。
震災前、仙台・気仙沼間には快速「南三陸」が2往復、2時間で運転されていた。現在は鉄道とBRTを乗り継いで4時間以上かかる(運賃は2,360円)。新幹線と大船渡線を乗り継いでも、大船渡線の線形が悪いため2時間要し、自由席で5,060円。一方高速バスは、2,000円で、2時間半弱である。