道南いさりび鉄道

報道によると2016年3月北海道新幹線の開業に伴い、経営分離される江差線を引き継ぐ第三セクター会社の名称が、選考委員会での選考の結果「道南いさりび鉄道」に決定したとのことである。北海道新聞は、

 「いさりび」は津軽海峡で操業する漁船がイカを呼び寄せるためにともす、いさり火を指す。三セク会社によると、全国各地から応募があった6207件の中から「沿線地域を表す言葉として、選考委員の評価が最も高かった」として選んだ。

と書いている。
整備新幹線の開業により経営分離された並行在来線事業者は、しなの鉄道IGRいわて銀河鉄道青い森鉄道肥薩おれんじ鉄道があり、来年3月の北陸新幹線金沢延伸に伴い、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道とIRいしかわ鉄道が加わる。平成の合併で誕生した新市名にもみられる傾向だが、すべての会社名にひらがなが含まれている*1信濃、岩手、越後、富山、石川と漢字で書くのではだめなのか。
なかでも、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道と道南いさりび鉄道の名称は、鉄道と関係のないことばを挿入し、浮わついた軽薄な印象を受ける。堅実な経営をすべき鉄道会社の名称としていかがなものかと感じるのは、筆者だけだろうか。
北海道道南地域並行在来線準備株式会社のプレスリリースで選考委員長の木村健一氏*2

今後、地域の生活交通機関としての役割に加え、新たにより多くの観光客も受け入れる鉄道として親しまれ、判りやすい英語表記、略語、コーポレートカラー等のビジュアルイメージ作りにもつなげていただける事を期待します。

とコメントしているが、一体どんな英語名称になるのだろうか。ちなみに、いわて銀河はIwate Galaxy Railway Co. Ltd.と直訳し、えちごととやまは、社名をそのままローマ字にしただけであり、外国人が読んでも何のことかわからない。

*1:このほか鉄道事業者の名称にひらがなを使用しているのは、ひたちなか海浜鉄道わたらせ渓谷鐵道ゆりかもめえちぜん鉄道神戸すまいまちづくり公社摩耶ケーブル)、土佐くろしお鉄道くま川鉄道と、第三セクターばかりである

*2:はこだて未来大学教授。この大学名もひらがなだ