DMV vs BRT

北海道の経済誌財界さっぽろ」10月号の「JR北海道DMVはどうなった」という記事を知人から送ってもらった。19日の記事で書いたことが取り上げられているので、紹介する。
特急炎上事故後の実用化計画の中断については、

 JR北海道広報は「計画再開のめどはたっていません」と話す。理由は事故再発防止のための「安全基本計画」策定が遅れているためだ。
 今年3月にDMVを実用化する予定だったが、小池明夫社長は1年以上送れることを明言している。

江差線DMV化については、「ある運輸関係者」の発言として

「(前略)JRは廃止路線地域にバスなどの代替交通手段の確保に協力すると沿線自治体に伝えているが、なぜDMVの導入は検討されなかったのか疑問に思う。14年まで猶予があるなら、十分に実用化できる。せっかく世界初の技術なのに、宝の持ち腐れにはならないか」

また、道外からのDMVの導入については、阿佐海岸鉄道津軽鉄道の例を紹介し、

 ただ、これら道外で実用化される時期はまだまだ不透明だ。DMVは国の指導によりJR北海道がビジネスモデルを確立してから、同社以外の鉄道に導入される。道内で実用化されない限り、道外でDMVが運行することはできない。そのため、導入を計画している自治体や鉄道会社は、JR北海道に対し早期実用化を要望している。

と書かれているが、JR北海道の実用化先行という国の指導は、本当だろうか。岳南鉄道は、DMVの実証実験走行をした路線だが、3月16日限りでJR貨物との連絡運輸が休止となり、貨物列車の運行を終了した。収益源だった貨物輸送がなくなり、廃止の危機に陥っているが、旅客輸送だけなら、DMV化はしやすくなる。JR北海道の実用化をまたずに、先行すべきではないか。
近鉄も内部線・八王子線を廃止、BRTに転換する方針を打ち出した。762ミリのナローゲージの軌道敷では、スピードはますます出ない。ローカル線は自動車に対抗するためにスピード(表定速度)が重要との指摘もある(「のんびりゆったり」はローカル鉄道を潰す)。
繰り返しになるが、線路が残っている区間はレール上を、流された区間は一般道路を運転できるDMVは、気仙沼線等の復旧にもっとも早く対応できる方法だと思う。JR東日本はBRT化を地元に提案する前に、DMVも検討したのだろうか。もともと並行する国道の渋滞は少ないのだから、仮復旧としているBRT化のために、レールを外すのはやめてほしい。
JR東日本近鉄のBRT化をどう思うか、柿沼会長に聞いてみたい。どこかの新聞が取材してくれないだろうか。