気仙沼線、バス高速輸送システムで仮復旧

各紙が報道しているが、引用は毎日新聞の記事

東日本大震災気仙沼線の路線、BRT正式提案 沿線自治体にJR東 /宮城
 東日本大震災で一部区間が不通になったJR気仙沼線を巡り、JR東日本は27日、仙台市での関係機関会議で、軌道を舗装してバス専用道路に改める「バス高速輸送システム(BRT)」で仮復旧させる方針を沿線自治体へ正式提案した。
 BRTの検討路線は柳津−気仙沼間55・3キロ。運賃は震災前の鉄道と同レベルとする一方、駅数を既設よりも増やす考えも示した。
 出席した国土交通省の担当者によると、復旧費は鉄道では数百億円かかるとみられるが、BRTなら数十億円程度で済むという。JR東経営企画部の大口豊次長は記者団に「地域の復興段階に合わせた柔軟な対応を行うため、BRTによる仮復旧を提案した」と述べた。一方、自治体側は、来年2月の次回会合まで提案を研究する方針。

DMVの開発リーダー、JR北海道の柿沼副社長の講演を聞いたことがある。「軌道敷を専用道路にしてバスを運行するほうがコストが安いと思うが、なぜDMVを開発するのか」と質問したところ、次のような答えだった。

  • DMVは、レールというガイドがあるため、狭い軌道敷で高速運行ができる。一般のバスをDMVなみの速度で走らせるためには、軌道敷の道路幅ではたりない。
  • 鉄道の鉄橋を自動車専用道路橋に付け替えるのは多額の費用がかかる。

日本におけるBRTは、廃止された鹿島鉄道の軌道敷が「かしてつバス専用道」として整備され、茨城空港連絡バスなどが運行されている例がある。軌道敷の専用道路を走るバスは、どの程度「高速」なのだろう。気仙沼線のBRT仮復旧区間はトンネルが多いが、長大鉄橋はない*1ので、専用道路化にむいているのだろうか。
もう一つ記事の「運賃は震災前の鉄道と同レベルとする」という箇所にも興味がある。運行はJR東日本の直営で、鉄道路線とのキロを通算することになるのだろうか。

*1:北上川鉄橋は、鉄道が復旧している御岳堂・柳津間にある