連絡運輸の8の字切符

よねざわいずみさんのブログにJR西−智頭急行の8の字通過連絡きっぷは購入不可能との情報という記事が掲載されている。JR各社と通過連絡運輸の対象である智頭急行を経由する「佐用東津山→智頭→作用→上郡→姫路→佐用」という乗車券が片道乗車券として発券可能かという疑問に対し、JR西日本は、

連絡運輸の場合、社線を通過中でも乗車券の効力にはJR西がかかわって来るため、JR接続駅でもある佐用駅環状線一周とみなす

という解釈によって、不可であるという。

JR西日本の解釈は、はなはだ疑問である。JR各社の旅客連絡運輸規則は、片道乗車券の発行要件を次のとおり定めている。

(普通乗車券の発売)
第16条 旅客が列車等に乗車船する場合は、次の各号に定めるところにより、片道乗車券、往復乗車券又は連続乗車券を発売する。
(1)片道乗車券
 普通旅客運賃計算経路の連続した区間を片道1回乗車船(以下「片道乗車」という。)する場合に発売する。ただし、旅客規則第68条第4項の規定により鉄道の営業キロ擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切つて計算する場合は、当該打切りとなる駅までの区間のものに限り発売する。

旅規26条の規定とほぼ同じであるが、「鉄道」は同規則第3条で、「旅客会社の経営する鉄道並びに連絡会社の鉄道・軌道及び索道をいう」と定義されている。ここで、運賃計算の打ち切りは、旅規68条4項の規定に基づいてJR線区間の運賃計算が打ち切られる場合である。JR線と会社線の経路が環状線一周を越えるケースを規定しているのではない。
これは、連絡乗車券の運賃が

(大人普通旅客運賃)
第48条 大人普通旅客運賃は、次の各号に定めるところにより計算した額とする。
(1)大人片道普通旅客運賃は、次に掲げる旅客会社線と連絡会社線の大人片道普通旅客運賃を併算した額とする。
 イ 旅客会社線 旅客規則の定めるところによつて計算した運賃
 ロ 連絡会社線 別に連絡会社ごとに定める旅客運賃

と、JR線と会社線の運賃を個別に計算して、キロを通算しないのだから、当然の話である。もともと運賃計算上のキロを通算しないJR線と会社線環状線一周となっても、連絡乗車券を発売しない理由がない。