名鉄・阪神がウェブに旅規を掲載

名鉄阪神がウェブに旅規を掲載していた。旅規ポータルの旅規リンク集を更新した。

名鉄は旅客営業規則だけの掲載だが、阪神は連絡運輸規則をはじめ各種規則を掲載した。注目すべきは、神戸高速線に適用する規則を別建てにしていること。旅規の1条と2条は、

(この規則の目的) 
第1条 この規則は、阪神電気鉄道株式会社、阪急電鉄株式会社及び神戸電鉄株式会社(以下、3社を併せて「社」という。)の神戸高速線の旅客の運送並びにこれに附帯する入場券の発売等(以下「旅客の運送等」という。)について合理的な取扱方を定め、もって利用者の便利と事業の能率的な遂行を図ることを目的とする。

(適用範囲) 
第2条 神戸高速線における旅客の運送等に関する契約については、旅客と、社のうち当該旅客の乗車区間を営業する者(次条第1号参照)との間で締結されるものとし、この場合、いずれの社との間においても、この規則及び次の各号に掲げる社が別に定める規則(以下まとめて「社の規則」という。)が共通して適用され、契約の内容となる。なお、社は社の規則の規定内容の適用を前提として、旅客からの運送等に関する申込みを承諾する。
(1)連絡運輸取扱規則 
(2)IC乗車券取扱規則 
(3)ICOCA乗車券取扱規則 
(4)企画乗車券取扱規則 
(5)身体障害者旅客運賃割引規則 
(6)知的障害者旅客運賃割引規則

と阪急・神戸電鉄を含む3社の神戸高速線の規定になっている。地方鉄道法の時代にインフラだけを所有する会社として設立され、鉄道事業法の施行によって第3種事業者となった、神戸高速鉄道の性格を示している。

これまで名鉄旅規や阪神旅規で検索すると、旅規アーカイブ名古屋鉄道旅客営業規則(1999年2月1日現行)阪神電気鉄道旅客営業規則(1962年12月1日現行)がトップに表示されたが、2番目に下がった。

4月1日ウェブページ更新

本日は多くのトピックスがあり、デスクトップ鉄のウェブページを次のとおり更新した。

ページ 内容
最長片道切符のルート変遷 1961-2024 根室本線富良野新得間廃止
JRの運賃計算ルールは複雑すぎる JR東海京成電鉄の鉄道バリアフリー料金新設、名古屋鉄道の運賃改定
JR旅客制度特例の変遷 基準規程の区間外乗車関連規定の旅規への移行
町村名と駅名の関係(町村代表駅) 根室本線富良野新得間廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更
「国名*」駅-駅名接頭・接尾語考(2) 根室本線富良野新得間廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更
旧国名駅 根室本線富良野新得間廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更
市区町村名と駅名(1949) 根室本線富良野新得間廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更
国界を越える鉄道 根室本線富良野新得間廃止
分水界を越える鉄道 根室本線富良野新得間廃止
Railway News 根室本線富良野新得間廃止
Railways of Japan 根室本線富良野新得間廃止、JR貨物東海道貨物支線(名古屋港線)廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更、近江鉄道の第2種事業への移行
The Longest One-way Ticket 根室本線富良野新得間廃止

全国のJR駅リスト(クイズページ)

根室本線富良野新得間廃止
全国の鉄軌道路線リスト(クイズページ) 根室本線富良野新得間廃止、JR貨物東海道貨物支線(名古屋港線)廃止、箱根登山鉄道小田急箱根への社名変更、近江鉄道の第2種事業への移行

JR東海京成電鉄の鉄道バリアフリー料金新設、名古屋鉄道の運賃改定を反映して、「JRの運賃計算ルールは複雑すぎる」の特定運賃設定区間バリアフリー料金加算額・改定運賃に変更した。名鉄の値上げでJR東海の特定運賃区間との運賃格差は拡大した。4月1日は、流鉄、東京モノレール福井鉄道えちぜん鉄道遠州鉄道豊橋鉄道なども運賃を改定したが、「鉄道事業者の運賃比較」の更新は時間がかかりそう。

北大阪急行電鉄ウェブページを閲覧して、千里中央箕面茅野の延伸区間の路線名が「(南北線)延伸線」らしいことがわかった。「Railways of Japan」と「全国の鉄軌道路線リスト」は南北線延伸線とした。

追記(4月3日):コメントで指摘を受け、更新したページを表に追加した。

3月16日のJR旅規改定

JR東日本の運送約款のサイトに2月1日付で、3月16日施行の旅規改正公告が掲載された。JR西日本北陸新幹線敦賀延伸開業関連、乗継特急料金廃止及び首都圏特別車両料金(B) の改定がメインである。JR東海の鉄道駅バリアフリー料金は4月1日施行で未掲載。

既報(2023年9月23日記事)のとおり乗継特急券が廃止され、第57条の2(乗継急行券の発売)が削除される。敦賀駅での在来線と新幹線の乗継は、第57条の3(特定の特別急行券の発売) に第8項が新設され、料金は第125条第1号ニに「第57条の3第8項の規定により発売する特別急行料金」として規定される(金額は別表第2号ク)。

8 旅客が、北陸新幹線富山・敦賀間の新幹線停車駅と、新幹線以外の線区の特別急
行列車の停車駅との相互間を、次の各号の1に該当する列車に乗車し敦賀駅で出
場しないで乗継ぎをする場合は、新幹線と新幹線以外の線区とを通じた全区間(第
57条第2項第1号の規定により2個以上の特別急行列車を乗り継ぐ場合を含む。)
に対して特定の特別急行料金によって指定席特急券立席特急券又は自由席特急
券を発売する。 
特別急行列車しらさぎ号 
特別急行列車サンダーバード号 
⑶ 別に定める特別急行列車

首都圏特別車両料金(B) の改定が昨年12月15日にリリースされた。現行の事前料金・車内料金と平日料金・ホリデー料金の区分を一本化し、 Suica グリーン料金と通常料金(紙のきっぷの料金)の区分に変更される。旅規第130条第2号には、通常料金が規定されている。JR東日本が同時に発表したICカード乗車券取扱規則の改定公告は2月1日施行の別表のバス事業者の追加と削除で、Suicaグリーン料金の規定はまだ発表されていない。

片道定期券・自動車運転免許証返納者割引

年末に続いて旅規ポータルの旅規リンク集を更新した。新たに見つけたいすみ鉄道の旅規を追加したほか、公営交通などのデッドリンクを解消した。バス事業者では、最大手の神奈川中央交通がようやく約款を掲載した。

ウェブに旅規を掲載している旧国鉄線転換の第3セクター事業者が10社(並行在来線転換事業者5社、地方交通線転換事業者5社)となった。これを機会に第三セクター旅規目次を更新した。

11枚つづりの普通回数券はJRが全廃し、首都圏の大手私鉄では京急だけになってしまったが、3セク10社中愛知環状鉄道を除く9社が残している。三陸鉄道はそのほか、12枚つづりのシルバー回数券、通院回数券と100円券22枚綴りの金額式回数回数券を発売している。

定期券では、三陸鉄道が通学片道定期乗車券を発売している。往路は親が車で送り、帰路に鉄道を利用するというように使われるようだ。鹿児島市電車乗車料条例施行規程にも片道定期券の規定があり、通学に限定していない。また、津軽鉄道(通学)、青い森鉄道(通学)、北陸鉄道(通勤・通学)にもあった。

長良川鉄道は、高齢運転免許自主返納者割引普通乗車券を発売している。沿線に居住する自動車運転免許証返納者に対する返納後2年間の割引は、次のように広く行われている。自治体や県警のページに記載され、事業者が旅規やウェブに記載していないものが多く、自治体の助成事業として行われているようだ。

事業者 割引率 情報源 備考
由利高原鉄道 50% 由利高原鉄道  
わたらせ渓谷鉄道 50% 群馬県 わたらせ渓谷鉄道
上毛電気鉄道 50% 群馬県  
上信電鉄 50% 群馬県 上信電鉄
いすみ鉄道 20% 千葉県警 旅規に規定なし
小湊鉄道 20% 千葉県警 69歳以上
銚子電鉄 50% 千葉県警 銚子電鉄
流鉄 50% 千葉県警 流鉄
あいの風とやま鉄道 50% あいの風とやま鉄道 旅規に規定なし
長良川鉄道 50% 長良川鉄道 旅規に規定
土佐くろしお鉄道 50% 高知県 中村・宿毛線
熊本電鉄 50% 熊本電鉄  
熊本市電 50% 熊本市交通局 軌道条例施行規程に規定
鹿児島市電 50% 鹿児島市交通局 電車乗車料条例施行規程に規定

高齢自主返納者に対する助成制度として、ICカード乗車券をタクシー乗車券などとともにメニューに入れている自治体もある。白山市は、65歳以上の返納者にJR西日本の「ICOCA」または北陸鉄道の「ICa」を19,500円分(デポジット込みで20,000円)を交付する(野々市市川北町は10,000円分)。高松市は70歳以上の返納者に、高松琴平電気鉄道の「ゴールドIruCa」またはJR四国の「SHIKOKU ICOCA」チャージ9,500円分(デポジット込みで10,000円)を交付する。

返納者に対する乗り放題切符もある。上毛電気鉄道は、前橋市桐生市みどり市の65歳以上の運転経歴証明書の保持者に500円のワンデーフリーパスを発売している(通常の「赤城南麓1日フリー切符」は1,300円)。福井鉄道越前市鯖江市・福井市在住の65歳以上または自動車運転免許返納者を対象とした、「プレミア1日フリー乗車券」を500円で発売している(一般向けの「土・日・祝日1日フリー乗車券」は600円)。とさでん交通の65歳以上限定の全線定期券「おでかけ電車65」は、自主返納者が初回購入時に半額となる(高知県)。 JR九州は、昨年10月から12月にかけて、福岡・北九州エリアを1 ヶ月間5,000円で乗り放題の「免許返納おでかけきっぷ」の実証実験を行った(JR九州)。

旅規ポータル更新

旅規ポータルの旅規リンク集を更新した。12月23日の旅規リンク集の更新時に神戸電鉄、IRいしかわ鉄道と高松琴平電気鉄道を追加したが、ファイル名の変更等により、多くのページがデッドリンクになっていた。

あわせてJR六社旅規目次及び大手私鉄旅規目次を2年半ぶりに更新した。鉄道駅バリアフリー料金と回数券の廃止が主な変更点である。

3月29日の記事で指摘したが、回数券を廃止した相鉄の旅規に普通・時差・土休日回数券の条項がまだ残っている。東急の169条(定期乗車券による他経路乗車(短絡乗車)の取扱いの特例)は、JRの旅客営業取扱基準規程153条の三角形の二辺を経由する定期券で他の一辺を短絡乗車できる規定である。これまで見た記憶がなく、おそらく新設条項と思われる。日吉・綱島間(新綱島) の定期券で日吉・新綱島間(綱島) に乗車可能な規定(169条の2)とともに追加された。

12月27日の東京都上野懸垂線の廃止を英語ページのRailways of Japanとクイズのページの全国の鉄軌道路線リストを更新し、記載した。

今年もブログのコメントやメールで、情報提供と誤記の指摘を受けました。ありがとうございます。来年もよろしくお願いします。

 

JR東日本旅規改訂履歴更新

JR東日本旅規改訂履歴(条項順)・(日付順)を更新した。JR東日本が本日運転開始した盛岡〜花巻~釜石間の「ひなび」(のってたのしい列車)が、130条の特別車両料金及び139条の2の座席指定料金に追加された。

もともと特定割引料金を規定していた139条の3の「特定の座席指定料金」に、2014年3月以降SL牽引列車などの割増料金を取る列車が規定され、条文の性格が変わっていた。2022年4月1日に139条の3が廃止され、座席指定料金は139条の2に一本化された。

旅規リンク集も更新した。12月12日の記事にコメントがあった神戸電鉄に加え、IRいしかわ鉄道と高松琴平電気鉄道がウェブに旅規を掲載しているのを見つけた。旅規を掲載していない神戸新交通が「企画乗車券関連規則」を掲載している。

 

 

JR旅客制度特例の変遷など更新

データルームのJR旅客制度特例の変遷などを更新した。

JR東日本の「きっぷあれこれ」を眺めていて、分岐駅通過列車の特例から大阪・新大阪間及び夜明・日田間が削除されていることに気がついた。前者は3月18日の大阪駅うめきた地下駅の開業で「はるか」と「くろしお」が大阪駅に停車することになったため、後者は8月26日の日田彦山線添田・夜明間のBRT化によるものと思われる。また、横浜市内発着の乗車券による鶴見・武蔵小杉間の市外乗車の記載が漏れていたことにも気づいた。2019年11月30日相鉄・JRの相互乗り入れ運転実施に伴い、羽沢横浜国大駅が横浜市内駅に追加され、横浜市内発着の乗車券で同駅を利用する場合の区間外乗車が特定分岐区間とともに設定されていた。どちらも旅規ではなく基準規程の条項なので、見逃していた。

また、12月6日に駅名改称 1987-2023を更新し、読者から指摘を受けた漏れ・誤記を追加訂正した。さらに「読み」のみが変更になった4駅、多良木、東多良木(たらき→たらぎ)、小野上(おのかみ→おのがみ)、越前竹原(たけわら→たけはら)を見つけ、本日更新した。

以前コメントがあったように、本年度の「鉄道要覧」で伊予鉄道松山駅前がJR松山駅前に、松山市駅前松山市駅に変更になった。この改称日は伊予鉄道の「道は、みらいへ 創立百二十五周年史」の年表に次のとおり記載されており、12月6日の更新時に「駅名改称 1987-2023」に追加した。

  • 1987/04/01:電停名を「国鉄駅前」から「JR松山駅前」に変更
  • 2001/10/01:電停名を「市駅前」から「松山市駅」に変更

伊予鉄社内では従来要覧に記載されていた「松山市駅前」ではなく「市駅前」だったようだ。

Railways of Japanとクイズページの全国の鉄軌道路線リストを更新し、12月4日の能勢電鉄鋼索線廃止を記載した。12月27日には休止中の東京都上野懸垂線が廃止される。特殊路線の廃止は相次ぎ、スカイレールサービス広島短距離交通瀬野線が2024年4月末に、立山黒部貫光無軌条電車線(立山トンネルトロリーバス)が2024年12月1日に廃止される(リリース)。どちらもEVバスに転換する