新潟市BRTスタート

新潟市都心部の新たな交通システムとして導入したBRTが9月5日運行を開始したが、遅れや事故、運賃の過収受などのトラブルでさんざんなスタートだったようだ。新潟交通のサイトにはお詫びの記事が立て続けに掲載されている。

そしてICカードシステムの不具合が復旧しないため、【重要】本日(9月7日)一部路線を除き運賃収受を行ないません。という事態に至った。
新潟市のBRTは、気仙沼線大船渡線のBRTや鹿島鉄道廃線跡のBRTと異なり、専用の走行路をもたない。海外で普及している連接バスとバス専用車線による都市型BRTに近いが、道路中央部のバス専用車線は、今回開業した新潟駅〜古町〜新潟市役所〜越後線白山駅〜青山間のうち、新潟駅〜古町間に設けただけである。遅れは連接バスに乗客が殺到したためというが、専用車線の未整備は定時運行の障害になると思う。
新潟市がBRTを導入した意図は、新たな交通システム

BRTの導入と併せて乗り換え拠点などを整備し、まちなかのバス路線を効率的に再編・集約し、生じた余力を郊外路線の維持・拡充にあてながら、全市的なバス路線再編を図る「新バスシステム」により、将来にわたって持続する公共交通の実現を目指します。

というバス路線の再編にあるようだ。これまで都心部に多くの郊外路線が乗り入れ、がら空きのバスが団子運転していたが、これを結節点でBRTに集約し、効率化を図るというものである。このため、路線集約により乗換えが必要となる利用者に対しては、これまでと同額の運賃で利用できる「まち割60」という割引を導入した。バスICカード「りゅーと」または「のりかえ現金カード」で60分以内に乗換えた場合に適用され、東京メトロのラッチ外乗継時と同様、1回目の降車時に乗車区間の運賃を、2回目に既収額との差額を引き落とす。ICカード精算の不具合の一つは、バス停名が異なる乗り換えポイントで「まち割60」が適用されなかったことだという。日比谷駅からラッチ外で有楽町駅に乗継いだ時、改めて初乗り運賃を引き落としたようなもので、このシステムにバグがあったらしい。
なお「のりかえ現金カード」とは、SuicaなどのICカードや現金での利用者が交付を受けて使用するもの。現金カードはポイント付与がないため、多くの利用者はJR用とバス用の2種類のICカードをもつことになるのだろう。
新潟市の「市長への手紙」新潟市交通インフラBRT導入計画についてに、

新潟市BRT第1期導入計画」では、今後の進め方について、平成31年度ごろのBRT第1期完成型の実現に向けて段階的に取り組み、新潟駅高架下交通広場の供用する目処がつくころには、社会環境を十分に考慮し、LRTへの移行を判断することとしています。

という市からの回答が掲載されている。新潟駅の高架化が完了し、交通広場が供用されるは2022年とのことだが、2014年10月13日の記事で書いた、新幹線から羽越本線特急へのホーム対面乗り換えとともに、注目される。
追記(9月8日):新潟交通7日付お知らせによると、ICカードシステムの不具合は解消したが、システム検証のため本日8日も運賃収受を行わなかったらしい。
新潟在住の知人からメールで情報を得たので、昨日の記事を補訂する。
現在は暫定開業ということで、バス専用車線は新潟駅〜古町間にも設けられず、全区間一般道路を通行している。ただしこの区間は、もともと車の流れがよく、専用車線がなくとも定時運行への影響はほとんどないとのこと。今回の遅延は、降車時の運賃精算に手間取っていることと、バス停が集約され、朝のラッシュ時には同じバス停から短間隔でバスが発車するため(同時分に3本の発車もある)、後続のバスがつかえてしまうことの2点だという。
降車時の運賃精算が遅れの原因になるとはある程度予想していた。欧州では、このため信用乗車方式(購入した乗車券をチケットキャンセラーで刻印する自己改札と抜き打ちの検札による高額のペナルティ)を採用している。日本では、ICカードによる運賃収受がこれに代替すると思っていたが、現金支払いや運賃表示のトラブルもあり、うまくいかなかったようだ。知人によると、連接バスの降車口にはICカード読み取り機が左右に2台設置されていて、2列降車ができるようになっている(現在は不具合のため稼働していない)ので、この効果に期待しているという。また専用車線の完成後に主要停留所で運賃の車外精算を行うことが検討されているようだ。
運賃精算の不具合については、今回導入された「まち割60」に加え従来からの30分以内の乗継割引も残っており、かなり複雑なプログラムになっているようだ。3本のバスを乗り継ぐ場合は、往復の運賃が異なることもありそうだという。

JR東日本駅別乗車人員

JR東日本駅の乗車人員に2014年度の数字が掲載されている。2015年3月31日現在、JR東日本には1734駅あったが、掲載されているのは、976駅。「JR東日本エリア内の1日平均の乗車人員を把握できる駅を掲載しています。」とあり、無人駅が非掲載のようだ。2013年版にあった伊東線来宮伊豆多賀網代、宇佐美、中央線の初狩甲斐大和青梅線の熊川などが無人化に伴い削除された*1。一方、「東日本大震災の影響により運転を見合わせていた区間の駅については掲載しておりません」とあるのに、不通区間代行バスが運転されていない山田線の陸中山田津軽石、大槌が掲載されている。不通承知の普通乗車券は発売されないが、定期乗車券と普通回数乗車券について、岩手県北バスと岩手県交通振替輸送を行っているので、その旅客と思われる。陸中山田駅の乗車人員は157人で(うち定期外2人)、同じ岩手県の新幹線駅いわて沼宮内(82人)よりも多い。
トップ100は仙台が52位*にはいったほかは、すべて南関東の1都3県(東京都58、神奈川県19、千葉県12、埼玉県10)の駅である。1都3県以外の駅は、114位*新潟*、119位宇都宮、143位高崎、145位水戸、149位取手、171位小山、176位長野と続き、185位にあおば通が盛岡(200位)、郡山(205位)、福島(215位)を抑えて入った。
トップ10は、川崎駅が2013年度の12位から10位になり、代わりに北千住が10位から11位に落ちた。川崎駅は7,143人増え、976駅中増加数がトップである。トップ10で、乗車人員が増加したのは、ほかには3位の東京、6位の品川と9位の秋葉原で、新宿(1位)、池袋(2位)、横浜(4位)、渋谷(5位)、新橋(7位)、大宮(8位)は減少した。増加数と増加率のトップ10は次のとおり。

路線 2014 2013 増加数
1 川崎 東海道 204,153 197,010 7,143
2 品川 東海道 342,458 335,661 6,797
3 武蔵小杉 南武 119,604 115,262 4,342
4 大崎 山手 145,672 143,397 2,275
5 中野 中央 140,587 138,467 2,120
6 恵比寿 山手 135,493 133,553 1,940
7 東京 東海道 417,822 415,908 1,914
8 海浜幕張 京葉  61,112  59,515 1,597
9 さいたま新都心 東北  43,667  42,135 1,532
10 西船橋 総武 131,895 130,814 1,081
路線 2014 2013 増加率
1 茂市 山田    55    35 57.1%
2 川原湯温泉 吾妻    31    20 55.0%
3 只見 只見    22    15 46.7%
4 川内 山田    12     9 33.3%
5 広野 常磐   175   132 32.6%
6 女川 石巻    62    48 29.2%
7 吉川美南 武蔵野 2,975 2,350 26.6%
8 横倉 飯山    22    18 22.2%
9 作並 仙山   194   165 17.6%
10 北松本 大糸   658   577 14.0%

湘南新宿ラインの駅が開業した大崎駅と武蔵小杉駅は、周辺の再開発が進み、2000年と比べてそれぞれ155%、86%増加した。増加率が高いのは、不通から復旧した路線が多い。女川は3月21日に復旧したばかりだから、代行バスの旅客数だろう。山田線の茂市や川内の増加率が高いのはよくわからない。
減少数と率のトップ10も紹介する。

路線 2014 2013 増加数
1 渋谷 山手 371,789 378,539 -6,750
2 浜松町 東海道 152,910 155,784 -2,874
3 新宿 山手 748,157 751,018 -2,861
4 横浜 東海道 403,865 406,594 -2,729
5 千葉 総武 103,592 105,812 -2,220
6 水道橋 中央  83,263  85,320 -2,057
7 津田沼 総武 102,125 104,082 -1,957
8 有楽町 東海道 165,450 167,365 -1,915
9 日野 中央  26,927  28,651 -1,724
10 千駄ケ谷 中央  18,788  20,444 -1,656
路線 2014 2013 増加率
1 向能代 五能    49    61 -29.5%
2 三厩 津軽    22    30 -26.7%
3 狩川 陸羽西    62    83 -25.3%
4 森宮野原 飯山    45    60 -25.0%
5 羽後亀田 羽越    70    89 -21.3%
6 さくらんぼ東根 奥羽   625 1,207 -19.0%
7 芦沢 奥羽    45    55 -18.2%
8 山方宿 水郡   114   139 -18.0%
9 荒屋新町 花輪    64    77 -16.9%
10 新地 常磐   161   192 -16.1%

昨年も7月26日の記事でBRTの乗車人員を紹介したが、2014年度の数字は次のとおり。気仙沼線は、南部の南三陸町が減少し北部の気仙沼市が増加している。盛駅が増加したのは、三陸鉄道南リアス線が復旧したためだろう。

気仙沼線 2014 2013 2010 14/13 14/10
柳津  32  38  34 -15.8% 94.1%
陸前横山   2   4   -50.0%
陸前戸倉  10   9    11.1%
志津川  74  91 269 -18.7% 27.5%
ベイサイドアリーナ  14  12    16.7%
清水浜   8   9   -11.1%
歌津  59  63 186  -6.3% 31.7%
陸前港  13  11    18.2%
蔵内   4   6   -33.3%
陸前小泉  15  16    -6.3%
本吉 217 203 329   6.9% 66.0%
小金沢  23  19    21.1%
大谷海岸  41  40     2.5%
陸前階上  66  67    -1.5%
最知  44  35    25.7%
松岩  66  58    13.8%
南気仙沼 119 110 251   8.2% 47.4%
不動の沢 160 147     8.8%
気仙沼  96  92 287  4.3% 33.4%
大船渡線 2014 2013 2010 14/13 14/10
気仙沼  77  65    18.5%
陸前矢作  15  17   -11.8%
鹿折唐桑   7   8   -12.5%
長部   9   9     0.0%
奇跡の一本松  12  17   -29.4%
竹駒  13  12     8.3%
陸前高田  82  75 220   9.3% 37.3%
高田高校前  20        
高田病院  33  26    26.9%  
脇ノ沢  13  12     8.3%  
小友  45  38 102  18.4% 44.1%
碁石海岸口  23  24    -4.2%  
細浦  21  18  80  16.7% 26.3%
下船渡  18  16    12.5%  
大船渡  46  46  46   0.0% 100.0%
226 173 328  30.6% 68.9%

JR東日本以外にウェブで2014年度の駅別乗客数を公開しているのはJR四国だが、トップ20だけである*2。2013年度のデータは、JR西日本トップ50を、JR九州トップ30を、JR北海道トップ10を掲載している。JR東海トップ10はグラフと千人単位に丸めた数字しかない。
追記(2016年7月28日):JR東日本が2014年度の乗車人員を訂正した。これに基づき、本文および表の数字を改訂した。仙台が212人減り、49位から52位に後退。増加数のトップ10から外れ、代わりに西船橋が入った。このほか東北新幹線の停車駅が順位を下げた。
追記2(7月29日):減少数と減少率のトップ10を記載した。

*1:伊東線の4駅の無人化は2014年度の3月8日だが、初狩など3駅は新年度に入った4月1日実施である

*2:徳島が松山や高知よりも多いのは意外だった。JR以外に鉄・軌道がないためか

気仙沼線・大船渡線BRT継続

JR東日本は、24日国土交通省で開催された沿線自治体との会合で、気仙沼・大船渡両線のBRTの継続を本復旧とする案を示したという。各紙の報道:
大震災:大船渡線と気仙沼線「鉄道復旧を断念」案を提示毎日新聞
JR大船渡・気仙沼線の鉄路復旧断念を正式表明(読売新聞)
<鉄路復旧断念>JR東、BRTでの復旧提案河北新報
JR東、鉄路復旧断念 大船渡線気仙沼―盛間 沿線自治体に提示岩手日報
JR東日本としては、鉄道で復旧するには1,100億円を要し、「鉄路復旧については責任をもって提案できない」とのことで、山田線と対応が分かれた。山田線は、210億円のうち140億円を負担して復旧し、三陸鉄道に無償譲渡、さらに移管協力金30億円を支払うという。
沿線自治体の対応は、毎日によると

これに対し、岩手県大船渡市、陸前高田市宮城県気仙沼市登米市南三陸町のうち、気仙沼市を除く4市町はJR東の提案に理解を示した。今後、住民に説明し、次回会合までに受け入れの可否を判断するとみられる。一方で、気仙沼市の菅原茂市長は「住民に説明するには至らない内容で不十分だ」と批判。今後もJR東と協議を継続する考えを表明した。

と分かれているが、気仙沼市の対応は、<気仙沼線>市長「BRT継続も選択肢」という記事(河北新報6月23日)もあり、条件闘争のようだ。
宮脇俊三氏は足尾線で国鉄完乗を果たした後、1977年12月11日の開通日に気仙沼線に乗車し、タイトルを防衛した。「時刻表2万キロ」には開通を歓迎する沿線の熱狂ぶりが書かれている。

 いよいよ悲願八十年の志津川に着く。
 気仙沼線の中心駅だけに大きな新駅である。しかし広いホームに立つ人の数は意外に少ない。そのかわり、サッカーでもやれそうな広い駅前広場はびっしりと人間で埋まっていて、思わず口を開けて見下ろしたところ五千人以下ではない。一万人ぐらいかもしれない。志津川は人口一万七千だからまさに町を挙げてである。特設の舞台も設けられている。花火が打ちあがり、風船が何百と放たれ、少なくとも百羽以上の鳩が飛び立った。上空にはヘリコプターが三機も旋回している。これはもはや出征兵士の見送りではない。

2014年10月1日の南三陸町の推計人口は13,868人。1975年国勢調査の人口は、志津川町16,076 人、歌津町が6,267人で併せて22,423人だったから、40%近く減少した。「現実を直視すれば、鉄路での復旧は不可能だ」という南三陸町長(毎日記事)の冷めた対応もやむをえないのだろう。
震災前、仙台・気仙沼間には快速「南三陸」が2往復、2時間で運転されていた。現在は鉄道とBRTを乗り継いで4時間以上かかる(運賃は2,360円)。新幹線と大船渡線を乗り継いでも、大船渡線の線形が悪いため2時間要し、自由席で5,060円。一方高速バスは、2,000円で、2時間半弱である。

JR東日本BRT約款

旅規ポータルのリンク集JR東日本一般乗合旅客自動車運送事業取扱規則を追加した。8月22日の記事に対するコメントで情報提供があった、BRTの約款である。
ざっと眺めただけだが、国土交通省が策定した一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款に準拠している。BRT約款が採用していないのは、国鉄バスが旅規に規定されていた時代のなつかしい条項である。たとえば標準約款第12条の定期回数乗車券は、かつて旅規にあったが、JR化後の1988年10月1日に廃止された。そのほか、標準約款の第44条「有料手回品」や第3章「荷物運送」。現在荷物運送の取り扱いをしているバス事業者があるのだろうか。
大きな違いは、標準約款の「第5章 連絡運輸・共通乗車」がBRT約款では「第4章 鉄道線を乗り継ぐ場合の取扱い」となっていること。BRTが連絡運輸しているのはJRの鉄道線だけ(同じ会社だから連絡運輸とはいえないか)で、

第47条 自動車線と鉄道線を乗り継ぐ旅客の運送及びこれに附帯する取扱等については、別に定める場合を除いて、自動車線と鉄道線を通じた全区間について、旅客規則を適用します。ただし、自動車線の運賃は第23条の定めによるものとします。

と規定されている。この23条に定める運賃とは

(運賃)
第23条 当社が旅客から収受する運賃は、契約の成立した時において国土交通大臣又は地方運輸局長へ届け出て実施しているものによります。
2 前項の運賃は、関係の駅等に掲示します。

というもので、これは標準約款も同じ。バスの運送約款には、もっとも重要な運賃が定められていないのだ。

追記(9月10日):コメントで指摘を受けたように、標準約款の定期回数乗車券と国鉄バスの回数定期乗車券を混同していた。前者は期間中1日2回使用できる回数乗車券であり、後者は旅規第2章第3節に規定されていた定期乗車券の一種である。旅規は回数定期乗車券を

(自動車線通勤回数定期乗車券の発売)
第38条の3 旅客が別に定める自動車線区間を、常時、区間及び経路を同じくして乗車する場合第35条第3項に規定する定期乗車券購求申込書に必要事項を記入して提出したときは、1箇月(暦月)の自動車線通勤回数定期乗車券を発売する。

と規定していた*1が、第202条の様式を見ると54券片の回数券である。回数定期乗車券の運賃や効力の規定はなく、発売の趣旨がよくわからなかった。
基準規程を調べてみると

(自動車線回数定期乗車券の発売方)
第61条の2 規則第38条の3に規定する自動車線通勤回数定期乗車券及び規則第38条の4に規定する自動車線通学回数定期乗車券は、自動車線共通乗車規則(昭和33年3月日本国有鉄道公示第78号)に定める共通乗車区間について、旅客が希望する場合に発売するものとする。

という条項があった。Wikipedia定期乗車券に「定期回数券」という項目があり、

1か月の定期券を約50枚の回数券方式にした形態の定期券である。降車時には氏名を記載した表紙を乗務員に提示の上1枚を運賃箱に投入する方式である。京阪バス(2010年5月31日までで券種廃止)の一部区間近江鉄道で発行されている。従来は廃止前の京阪宇治交通の一部区間、鉄道では廃止前の屋島登山鉄道や、比叡山鉄道でも発行されていた。
このほか、複数のバス会社が少数の便を運行しているが共通乗車の扱いがなされていない区間で、学生の利便のため通学定期券に相当する氏名記載の表紙を持つ定期回数券のみ、共通乗車用に発行した事例がある。(例 古川駅-吉岡 (大和町)間の国道4号線一般道を走っていた国鉄バス(当時)古川線の一部・宮城交通(当時)相互での発行)

と書かれている。「共通乗車の扱いがなされていない区間」というのは基準規程の規定と異なり、「定期回数券」も「回数定期券」とすべきだろう。
菅沼天虎の紙屑談義のJRバス関東 定期回数乗車券に「草津温泉長野原草津口」の定期回数乗車券の画像が掲載されている。表面には「定期回数乗車券」とあるが、裏面に54回の乗車回数をチェックする欄が印刷されており、国鉄バス時代の「回数定期乗車券」である。標準約款の「1日2回使用できる定期回数乗車券」を探したのだが、ウェブには見当たらない。JRバス関東の約款も「定期回数乗車券」である。やはり両者は同じものなのだろうか。

*1:第38条の4で自動車線通学回数定期乗車券の発売を規定

第13回日本鉄道賞応募案件

国土交通省のサイトに第13回日本鉄道賞の応募案件が掲載され、意見を募集している。25の応募案件は次のとおり。|*|*応募者名|*件名|

1 東日本旅客鉄道 子ども達が描いた絵を車内に掲出した “小さな美術館列車”を運行しよう!
2 東日本旅客鉄道三陸鉄道 三陸沿岸における交通の早期確保−気仙沼線大船渡線南リアス線北リアス線における取組み−
3 東海旅客鉄道 開業50周年を迎え進化し続ける東海道新幹線
4 西日本旅客鉄道 冬の鉄道の安全を守るキヤ143ラッセル内燃動車新登場)
5 四国旅客鉄道 駅キャラクターの展開について〜SHIKOKU SMILE STATION
6 四国旅客鉄道 地域と連携し、「逆転の発想」で、 ローカル線の復活!!
7 九州旅客鉄道 新たな人生にめぐり逢う、旅」の感動
8 九州旅客鉄道 九州新幹線ブランド戦略〜開業周年記念プロモーション〜
9 近畿日本鉄道 近鉄電車で行く婚活ツアー
10 近畿日本鉄道阪神電気鉄道 近鉄阪神直通運転!近鉄特急車両による団体臨時列車運行開始
11 阪急電鉄 高速道路と鉄道を組み合わせた新しい駅の“カタチ”、「阪急西山天王山駅
12 西日本鉄道 太宰府観光列車「旅人‐たびと‐」
13 由利高原鉄道 由利高原鉄道YR-3000形の導入 新車導入を何倍にも活かしたプロモーション
14 埼玉高速鉄道 ホームページを活用した沿線の魅力再発見
15 能勢電鉄 のせでんアートライン 妙見の森2013
16 広島電鉄東京大学生産技術研究所マツダ独立行政法人交通安全環境研究所 広島における世界初の路面電車−自動車間通信型ASVデモ〜ITS技術を活用した鉄・軌道の安全性向上への取組み〜
17 肥薩おれんじ鉄道 沿線の遊休社有地を観光名所に!!社員一丸となって作り上げた 「薩摩高城(さつまたき)物語」
18 くま川鉄道 くま川鉄道の新型車輌「田園シンフォニー
19 新津商工会議所 「鉄道のまちづくり」を推進します!!「SLばんえつ物語」号のふるさと新津
20 一般社団法人吹田にぎわい観光協会 万博鉄道まつり 人・まち・文化を繋ぐ鉄道の祭典
21 宝塚大学造形芸術学部 のせでんデコるヘッドマークプロジェクト」〜地域とともに走るのせでんオリジナル列車カン制作展〜
22 テレビ朝日東映東映エージエンシー 烈車戦隊トッキュウジャー『鉄道×ヒーロー』で親子が鉄道をもっと好きになる!
23 小学館 ライフスタイル誌編集局ライフスタイル誌戦略室 三浦一夫 「ななつ星」物語 めぐり逢う旅と「豪華列車」誕生の秘話
24 樽見鉄道 鉄道演劇「樽見鉄道スリーナイン」(脚本にあわせて走る列車が「劇場」になる)
25 ぷ―すけ 先人の築いた鉄道史に挑む本格派鉄道経営シミュレーションゲーム 鉄道事業戦略

昨年同様、列車の運行、車両、駅からイベント、書籍、ゲームまでさまざま。知らなかったものも多く、ネット検索してリンクを張っておいた。
昨年の大賞は予想したとおり、「五社直通運転」だった。今年の本命は、JR東日本三陸鉄道のコンビだろう。線路を外してBRT化と鉄道復旧と対照的な両者であるが、「交通の早期確保」をキーワードにコンビを組んだ。
JR東日本が2013年度の各駅の乗車人員を発表したが、BRT駅別乗車人員が記載されている。震災前の2010年度の乗車人員と比較すると、鉄道とBRTの乗換駅となり、ダブル計上されている柳津と気仙沼以外はすべて減少している。

気仙沼線20132010大船渡線20132010
柳津*1 3834気仙沼65
陸前横山4鹿折唐桑8
陸前戸倉9長部9
志津川91269陸前矢作17
ベイサイドアリーナ12奇跡の一本松17
清水浜9竹駒12
歌津63186陸前高田75220
陸前港11高田病院26
蔵内6脇ノ沢12
陸前小泉16小友38102
本吉203329碁石海岸口24
小金沢19細浦1880
大谷海岸40下船渡16
陸前階上67大船渡4646
最知35173328
松岩58
南気仙沼110251
不動の沢147
気仙沼*2 92287
空欄は、数値が掲載されていないもの。JR東日本のページには、「1日平均の乗車人員を把握できる駅を掲載しています」と注記されており、2013年度の掲載駅は1,681駅中997駅である。

追記(10月5日):国土交通省から2014年度の日本鉄道賞受賞者がリリースされていた。大賞は、東海旅客鉄道東海道新幹線の50年〜「進化」へのたゆまぬ努力と着実な実績〜」。大賞に予想した三陸鉄道東日本旅客鉄道コンビは、「三陸の復興を願って!地域の協力が実を結んだ公共交通の早期復旧」として、二つの特別賞の一つに入った。もう一つは、テレビ朝日東映東映エージエンシー「烈車戦隊トッキュウジャー」。

*1:鉄道は55

*2:鉄道は250

続・BRT利用最長片道切符

8月25日の記事でBRT気仙沼線を通過する最長片道切符で旅行中のSHIOSAI_4031さんを紹介した。ほぼ同時に最長片道切符旅行をしている方のブログを見つけた。よいころさんである。
草津駅で発券したよいころさんの最長片道ルートには、BRT気仙沼線が含まれていない。その経緯が第2回 最長片道切符発行までに書かれている。

依頼した最長片道切符のルートにはBRTという形で仮復旧した気仙沼線が含まれていましたが、このBRT区間を他のJR線と乗り継いで乗車する場合にはマルス券など機械で発行された乗車券に限るというのです。つまり、経路があまりにも多い最長片道切符はみどりの窓口マルスで発行することができず、手書きの切符となるために、気仙沼線のBRTで仮復旧した区間は最長片道切符では乗車できないということです。したがって、気仙沼線のBRT区間を最長片道切符のルートに採用するのは難しくなりました。切符を分割するのは片道切符として一つにならないので、そうはできません。そこで、気仙沼線は最長片道切符のルート候補から外して、ルートを変更することにしました。

というわけで、BRT線暫定開業前の2012年4月暫定最長ルートになってしまったという。
昨年12月29日の記事で「漏れ聞こえてきた話」として、旅規第17条の「気仙沼線柳津・気仙沼間の特殊取扱」の「別に定める」通達について紹介した。その後入手した、JR西日本平成24年12月20日付営業本部長通達「気仙沼線BRTでの仮復旧に伴う乗車券類の取扱いについて」には、「2 BRT線での仮復旧に伴う乗車券類の取扱い」の「1 発売」に

(2) 鉄道線とBRT線との相互間をまたがる場合
平成24年12月22日(以下「仮復旧日」という。)以降、マルスでのみ発売する。
注1 マルス発売時は駅名カナ検索を利用する。例)志津川→「志津川BR(着」
注2 旅客がBRT線を通過し、前後の鉄道線にまたがって乗車する場合は、その前後の鉄道線区間営業キロ擬制キロ又は運賃計算キロ)を通算する。
注3 POS及び車内補充券発行機はBRT線に対応していないため、BRT線に関する乗車券類は発売せず、鉄道線との接続駅(柳津駅又は気仙沼駅)までの乗車券類を発売の上、お客様には当該区間はBRTでの運行となる旨を案内する。ただし、割引適用の乗車券及び旅客がBRT線を通過し、前後の鉄道線にまたがって乗車する場合の乗車券の発売についてはマルス設置駅での発売を案内すること。

とある。草津駅での対応は、この通達に沿った取扱いである。
SHIOSAI_4031さんの最長片道切符は博多駅での発券だが、BRT線通過の乗車券が特別補充券で発券された。BRT線に関する取扱いはJR全社共通だと思うが、JR九州は通達にかかわらずフレキシブルな取扱いをしたということだろうか。

大船渡線BRT

大船渡線BRTは枝線や環状線がある複雑なルートで、オールド「乗り鉄」としては血が騒ぐ。完乗してきた。
複雑なルートになっている理由の一つは、高田中央病院・下船渡間に各駅停車路線と快速線があるため。鉄道で行っていなかった快速運転は速達性向上のため評価できる。もう一つは、気仙沼陸前高田間のルートを鉄道路線からかなり離れた国道45号線としたことによる。この区間にある上鹿折駅には、ミヤコーの気仙沼西高校前・鹿折金山間の路線バスの気仙沼駅前・上鹿折駅前間をBRT区間として運行している。陸前矢作駅は、同駅折り返しのBRTが竹駒駅を経由して陸前高田気仙沼・盛間の路線に合流する。
BRTが鉄道の(仮)復旧であるのなら、気仙沼陸前高田間は線路と平行している県道34号線を走るべきだろう。国道45号線には岩手県交通の路線バスがあり、営業妨害ではないか。新設の長部駅は岩手県交通の上双六停留所に併設されている。それ以前に気仙沼陸前矢作間の路盤は残っている。信号系を整備すれば、鉄道の運行も可能だろう。それなら、陸前矢作・盛間だけをBRTにすればよい。
大船渡線BRTの運賃制度は興味深い。BRT運賃は鉄道の対応駅間の運賃と同額である。気仙沼から陸前矢作に行くのは陸前高田まで行って戻ることになるが、陸前高田までの運賃より安い。東京メトロのラッチ外乗継のように乗継駅までの運賃を徴収するルールはないから、気仙沼から陸前矢作ゆきの乗車券で陸前高田で前途放棄したらどうなるのだろう。
路線バスによって代行している気仙沼上鹿折間の運賃は、BRT運賃を区間内のバス運賃にも内方適用している。停留所の掲示

普通運賃について
・BRT区間の普通運賃は、鉄道に準じたBRT運賃になります。
・BRT区間とミヤコーバス区間を連続してご利用になる場合は従来と変わりません。
*ミヤコーバスの普通回数券でもBRT区間を利用できます。

また、定期運賃について

BRT区間とミヤコーバス区間を連続してご利用される場合、BRT定期券とミヤコーバス定期券を分けて購入したほうが安くなる場合があります。

ミヤコーバスは、BRT代替運行を行うことにより、気仙沼駅前・上鹿折駅前間の運賃を値下げしたことになる。JRはミヤコーに対して運賃割引額を補填しているのだろうか。
大船渡線の専用道路は小本駅付近と大船渡・盛間のごく一部。小本駅付近は、専用道路を走るためにわざわざ迂回しており、時間短縮になっているとは思えない。一方、気仙沼線BRTは、本吉付近と陸前港・歌津間など鉄道のトンネルを利用した専用道路が増えていた。こちらは時間短縮に貢献していると思う。